アニメ感想置き場

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冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた に囚われていた時の書置き

この感想は2019年10月26日から約2か月ほど冴えカノに囚われていたときに個人的に書いていたものを一部修正したものです。

原作も読んだけど、アニメの描写のみから書いた……はず……。

予定していた身内での鑑賞会もとりあえず終わったことで、僕の中で一区切りしたのもあり公開しようというものです。

宣伝は基本

anime.dmkt-sp.jp

もともと自分が読み返すためのものだったので書いてる時のテンションがあっちこっちいくせいで、かなり読みにくかったりする部分もあるけどゆるして

※赤色部分、脚注部分は追記箇所

 

1 本作品の2つのテーマ

冴えない彼女の育てかた』のメインテーマはメインヒロインである加藤恵を「誰もがうらやむような(倫也風に言うなら「胸がキュンキュンするような」)メインヒロインにすること」。これは、作中初期から物語の要所要所で語られる、作中作のゲームのメインテーマでもあるが、リアルの『冴えカノ』のメインテーマにもなっている(と思う)。

 

まず前提として、『冴えカノ』は現実作品と作中作品がパラレルになっている点が特徴になっている。すなわち、作中でキャラクターたちが作中作について述べる意見が、そのまま現実の作品に対する意見にもなっているということである。このことについて、あまり意識せずともわかるように、様々な工夫がされている。

キャラクターたちの大半が視聴者と同じくオタクであることから、彼女たちは作中作品(倫也たちの作るゲーム以外も含む)の出来やその展開などについて意見、批評することが非常に多い(特に序盤)。アニメ0話の開口一番から、「1話からお色気シーン満載の作品」への批評と擁護を始めながら、画面はまさしくその「1話からお色気シーン満載の作品」であることからもうかがえる(というか、そもそも0話は全体的にかなりメタい(上に自虐的)演出が多い)。0話要らないんじゃって意見もあるけど、こうしてみるとやっぱり僕は必要だと思うな!

作中で現実の作品そのものへコメントするメタ発言は、一歩間違えれば作品の質を落としかねないものだが、冴えカノにおいてそれは単なるギャグだけで終わらず、現実作品と作中作品をうまく橋渡ししているのだ(ホンマか)。

 

映画においてもこの特徴は活用されている。例を挙げるならば、「転」の是非について。倫也が恵に対して、今後の作品の方向付けを相談した際に、恵は「転」はいらないというが、その直後にまさしく「転」である出来事が発生する。視聴者の多くは恵が「転」を不要だといった際に、「あ、これフラグだ」と思ったことだろう(いや僕は加藤がかわいすぎてそんなこと考える暇もなかったですけど)。

これ以外にも、倫也が紅坂朱音にシナリオについてのアドバイスを受けたシーン。お行儀のよい文章や展開ではなく、人によっては眉をひそめるかもしれない、キモくて痛々しい妄想を書くこと、そうすれば真のキモオタは必ずついてくる、とアドバイスする。これは現実の『冴えカノ』にも当てはまる。正しく言うなら、現実の『冴えカノ』を創る際に原作者の丸戸氏や、アニメのスタッフたちが考えていることだろう。客観的にみると、美少女クリエイターたちに囲まれて同人ギャルゲーを作るという『冴えカノ』の設定はキモオタの妄想的で、その全員から好意が向けられているという状況はもはやキモオタの妄想そのものといっても差し支えない。しかしだからこそ、この作品についてきたオタクがたくさんいるというのも事実である(僕とか)。*1

 

もう一つの本作のテーマはクリエイターのプライドやこだわりといったものを描いていること。これについてはメインテーマの掘り下げを終えた後、3にて振り返る。こちらは主に澤村・スペンサー・英梨々霞ヶ丘詩羽が担っている。(ただやっぱりメインは「加藤恵を誰もがうらやむようなメインヒロインにすること」だと思うので、そっちはあくまでサブテーマだと思っています。(詩羽、英梨々ファンには申し訳ないが))

 

話がズレたが、加藤恵を魅力的なヒロインへと描いていくことがメインテーマであるこの作品。そのメインテーマはこれ以上ないほどに達成されていることと思うが、改めて加藤恵について0話から振り返ろう。

 

2 加藤恵について

どのタイミングで加藤が倫也を好きになったのか。

感情の発露は♭8話(とその前の6話) ただ、♭8話のエピソードについて、加藤はfineにて「こんなありきたりなイベントでヒロインのフラグが立つってことは、もうルート入ってるってことになる。」と指摘してダメ出ししている。これはかつての自分をそのまま描かれたことに対する照れ隠しでもあるが、それだけでなく、このエピソードで主人公のことを好きになっちゃったというよりも、それよりも前に好きになっていたという意味になる。この♭8話では「安芸君たちと離れたこの2か月、本当に寂しかったんだよ」とも言っている。離れている間だからこそ、自分の気持ちに向き合うことができるのであり、この時点で自分の気持ちがもしかしたら恋心なのではという気持ちになっていたのかもしれないな、と。

(なお、この前に、「もしかして私が安芸君のこと好きなんじゃないかって思った?」とドン引きしているが、何事にもフラットな対応をしてきた恵がドン引きしている態度を見せるというのは、フラットを保てないほどに動揺しているということでもある。「もしかして自分は安芸君のことが好きなんじゃ?」と思っていたところに、「嫉妬してたから最近冷たかったのか?」と自分でも半分気づいていなかった図星を突かれて、そんな自分を受け入れられなかったことによる動揺の現れだったのではなかろうか。)

つまりこの♭8話の放送室でのイベントはあくまできっかけであり、それ以前から恵は倫也を無意識に意識していたということになる。

ではどのタイミングから意識していたのか。いろいろ考えてアニメを見返したけど、これ!というタイミングは見つけられなかった……。

 

この答えについては、何かのイベントをきっかけに「好きじゃない」から「好きになる」に切り替わるのではなく、シームレスに好きになっていったと考えるのが個人的にしっくりきた。ヒロインを魅力的に描くことについて、♭8話にて倫也が恵に話すシーンで、「人と人との関係は変わるし、当然ヒロインの反応も変わっていく、それも劇的に変わるのではなく段階的に変わっていかなければダメだ」と言っており、まさしくこの通りなのではなかろうか。冴えカノは作中内部で作中作に対して言及していることが、パラレルに作品そのもののテーマにもなっていることが多いとは前述の通り

何かのきっかけで、どこかのタイミングで好きになるということは、物語的にはわかりやすくてしっくりくるのだが、実際の恋愛においてはなんか気づいたら好きになっていたということも結構あるんじゃないかな、いや知らんけど。

(というか、そもそも「好きになる」というのは「好きであることを自覚する」と同義なのではないかなと思うので、そういう意味で「好きになる」のはやっぱり♭8話でええやんと1年後にこの辺読み直してて思った)

 

以上を前提に恵の心情を追いかけてみる。(とか言っているけど単純に冴えカノを見直して加藤の気持ちに思いを馳せるのが楽しかっただけ)

1期 1話~3話

1話、加藤はほとんど出番がないけど、始業式でさりげなく倫也の隣に座っていたりするのは、最終的に常に隣に寄り添うパートナーとなる伏線か。あとはラストに出番があるけど、ほとんど会話したことない男子ともさらっと会話できるうえに、割と理不尽に仕事押し付けられてるのに「わかった、先生に伝えとくね。」と了承する辺り、普通にいいやつだな加藤……。

 

2話、倫也が恵を最初にカフェに誘ったタイミングだけど、あまり接点のなかった学校の有名人のクラスメイトから初めて認識してもらえたという点で、少しは嬉しかったと感じてる……かも。単純に目立たない加藤にとっては男子にカフェに誘われる経験自体が初めてのイベントだったのかもしれない。まあ、そのあとの倫也の上げてから落とす対応とか、「今、私告白されてる?」「え、なんで?(マジトーン)」とかであまりなかった期待もあっさり裏切られてるんだろうけど。

そこからさらに有名な英梨々と詩羽の知らない一面を見せられたり、半分無理やり突き合わされたゲーム合宿が思ったよりも楽しかったりと、「決して好きというわけではないけど、一緒にいてそんなに嫌ってわけでもないかな?」くらいの認識だったと考えられる。お前は俺のメインヒロインなんだって謎の口説かれ方してたら、まあ少しは意識しちゃうんじゃないかなあ。倫也は勢いで言葉足らずなことを言っちゃうことも多いので、上げてから落とされることも多く、恵は期待を外されることも多かったように思う(って安野さんがドラゴンマガジンニュータイプインタビューで言ってた)。

映画内での「もうちょっと女の子に寄り添ってほしいんだよね、たまにでいいから優しくしてほしいんだよ」ってのは加藤が初期~中盤に結構感じてたことなのではないかなと。

この心情は倫也が恵に対して初期に抱いていたものと近い気がする。1期6話で倫也が詩羽とプロットを修正する際に「あまりにもキャラが薄いと、ほんの少しの変化で急にかわいく見えるときがある、まあその一瞬後にやっぱり勘違いだったわってなるけど」と話をしている。めちゃめちゃ厳しい人たちが不意に見せたやさしさのせいだったりするんだろうね理論である。いや普通にギャップ萌えっていえばいいのかもしれない。

加藤と倫也がお互いを好きになった理由(普通じゃないけど特別ってほどではない同士)まで一緒だったことを考えるとこの時点から同じだったとしてもおかしくないのではという妄想だった。

 

ただ3話でわざわざ札幌から戻ってきてくれたのは、倫也のためというよりも有名人3人と一緒に過ごす時間が非日常的で楽しくて、ここで終わるのは惜しいと思ったからかな……。正直ここは原作者も考えてなさそう

 

まだこの時点では好意まではいってなくて、なんとなく一緒にいて楽しいとかそのレベルっぽい。詩羽と英梨々も含めて一緒にいて楽しいだから恋愛感情にはまだ遠いな?

 

1期 4話~6話

詩羽回なので、加藤の出番はそこまで多くない4話。ナチュラルに倫也と一緒の電車に乗って下校してるけどな!(英梨々も詩羽も一緒に登下校するまでどれだけかかったと思ってるんだろうか) ほかの男とショッピングに行くのは云々の展開で、倫也のことをウザいと思ってそうだけど、視聴者ほどには思ってなさそうなんだよな加藤。

 

5話のデートイベントだけど、ここ(わざわざ付いてきたのに早々に倫也がダウンしたシーンや詩羽のもとへ向かう倫也を快く送り出すシーンを指していると思われる)加藤の心情はもう僕にはわかりませんね。普通にいい奴すぎるだろ……。ここの描写、下手したら加藤恵は物語のために動かされている主体性のないキャラにもなりうる。どっちかというと、倫也がプロットにOKを出せない理由を見つけるイベントになっているから、せっかくのデートイベントなのに加藤がメインではないんだよな。なんだかんだ倫也が覚醒して一緒に店回り出した辺りからは加藤も普通に楽しんでたと思うけど。

 

6話ラストは、ようやく加藤の♭でない描写が出てくる印象深いシーン。さんざんメインヒロインだなんだと言っておきながら、他のヒロインのところに走っていかれたらまあ普通の女の子でもこういう顔するだろうなという気もするけど、これは倫也とのデートを普通に楽しんでいたことの裏返しでもあるよね。上げて落とすのが得意な主人公だなあ。

恵の素(ナチュラル)は、強欲で嫉妬深くて黒いというのが滲み出ている初めてのシーンでもあって、後々への伏線だった。この時点で作者はそこまで考えてなかったのかもしれないけど、単純に(物語的にも主人公的にも)都合の良いキャラクターとしては描かないというのを強調するシーンだったんだと思う。しかもせっかくの詩羽回のCパートに持ってきて全部持って行っちゃってる辺り、メインヒロインだな。

 

4~6話の時点で、倫也への好意があるんだろうか。うーん……。まだこの時点ではサークルのことを重視してるのかな。ただサークルのことを重視するキャラっぽく振舞っているのかもしれない。加藤は自分が何事にもフラットなキャラだと自分自身にも定義づけているのかも。

 

1期7話~9話

7話でもナチュラルに一緒に下校をしている加藤と倫也だった。髪型変えるヒロインって少ないのかな。確かに二次元キャラクターは一時的には髪型変えたりすることはあっても、数話に渡って変えることは少ないかもしれない。時が一気に進んで変わったり、なにか大きな出来事があって変えることはなくはないけど……。加藤が変えた理由はなんとなくらしいし、多分本当になんとなくだったんだろうなあ……。倫也の注意を引くために変えた可能性もゼロではないけど……。ここの「女の子の髪型をそこまで否定されると、少しは思うところがあるよね」もどう解釈すればいいのかわからない。

作品的には今後の2回の髪型変更にはそれなりの意味があるので、そういう意味での対比だったと考えられなくもないか?

 

8話、前半で自分からゲームを始める加藤。これはまあ倫也に対してなんとかってよりも、出海ちゃんに対してってことなんだろうな。基本は付き合いがいいキャラだし、せっかく呼ばれたなら少しは作品を知ろうって思うのはまあ自然か。変なこだわりがあるオタクだと逆にやらなかったりするんだけどな。作品との出会いは大事だから他人に影響されたくないとかいう謎の持論を展開するやついるよなあ。*2

後半で、倫也は連れてきた加藤をほっぽりだして、出海の同人誌を売るためにどこかに行ってしまう。加藤は倫也が出海のために頑張っていることを理解しているが、その様子は「ちょっと怒ってる?」と出海に評されている。やっぱりここも伏線というか、倫也の行動を理解はしているしある程度信頼もしているけれど、メインヒロインとして完全に納得したというわけではないっぽい。この時点では6話と同じく、置いていかれて不満は持つけど、直接不満を言うほどの関係性ではない。ただ2回目だから、英梨々よりも鋭いはずの出海から見て、「ちょっと怒ってる?」程度に抑えられるくらいにはフラットに対応できているようだ(まあ出海が鋭いというよりは英梨々が鈍いというか、これは映画でも出てるよな)。

ただここの、彼女じゃなくてメインヒロインであることに、「なんなんだろうね本当に」はメインヒロインそのものがなんなんだろうね、だけではなく、メインヒロインとされてるのに全然気にされてなくて、なんなんだろうねという意味がありそう。♭8話でも「メインヒロインなんて意味わかんない役職」と言ってるのはこのときから感じてた不満だったんだろうなあ。

 

9話は英梨々回だから加藤の出番は少ないよ。でも英梨々を励ます案を考え付けるのはさすがというか。まあ英梨々がわかりやすいだけで、その辺に気づけない倫也がおかしいんだろうな……。

 

7~9話では、あんまり出番がなかったけど8話の出海との会話が大きな伏線になっているっぽい。というかこれ、初見では絶対気づけないよね。

 

1期 10話~12話

10話はネット通話と放課後に美智留から倫也へのメールに気づくくらいの出番しかない。しかし大事なのは、スクリプトに興味を持っていることですね。いや興味持ってるようには見えない反応だけど、後々の展開を考えたらこの時点で少しは自分も役に立たないとって思い始めているんだな、と。この辺からサークルのことを大事に思い出してるような描写が出てくるので、加藤がサークルを大事にも思い始めたのは夏コミ後ってところかな。夏コミで出海の同人誌完売に立ち会ったのも影響してそうだ。こうしてみると、本当に自然に感情が変わっていってるんだなあ……。

 

11話。もう普通に安芸家でお茶とかお菓子とか出してる辺り、正妻感は増してきているな。スクリプトの件もだけど、サークルのために自分ができることを考えてそれを実行した結果なのかもしれない。ちなみにこの安芸家での美智留説得シーンでは加藤がスマホではなくスクリプトの本を読んでいるのも小さいけど大きい変化。

倫也と恵の電話シーン、大事な点が二つあるけど、一つは「まあ安芸君ならそういうこともあるって知ってるし。それでも土壇場でなんとかするって気もするし」と、加藤が倫也を結構ちゃんと理解してるってのがわかるところ。8話時点でもそういう意味での理解はあったけど、倫也に伝えるのはこれが最初かなあ。

もう一つが倫也が加藤に「このサークルって歪んでるかな?」と相談すること(ちゃんと相談してて倫也偉いなって思ってしまう)。ここ、加藤にだけ相談して、詩羽と英梨々には全然相談せずに決めてるんだよなー。

加藤のゲームを通じた意趣返しは初見だとコメディ要素としか思ってなかったんだけど、スクリプト勉強中になんであなたがこんなことを?って英梨々から尋ねられたときに「まあいろいろ思うところがあってね」って返してるのを考えると、倫也に対して溜まってた不満をぶつける意味合いもあったんだろうな。(最初は、「いろいろ思うところ(=サークル活動が結構楽しい だけだと思ってましたが……。)さりげなく倫也の手に自分の手を重ねてるんだけど、英梨々や詩羽がよく見せる脚でなく、手で魅せるのは何か意味があるんだろうか。

 

12話、詩羽(と英梨々)には「もっと安芸君を信用してあげてください」とか言ってるんだけど、いざ自分が相談されないとああなる(♭6話)辺り、「実は結構めんどくさい?(小声)」がブーメランすぎるよね。ナチュラルに自分は最初に相談してもらえる立場にあると思ってる感。

もう一つ大事なシーンが英梨々と親友になるシーンだよね。この時点で加藤にとってサークルやそのメンバーは相当に大事なものになってるってことがわかりますね。12話まで積み重ねてすごく丁寧に心情の変化を描いているのがすごい。

 

10話~12話では、サークルを大事に思う描写、ゲーム制作を楽しんでる描写が多い。倫也に対しての心情としては、ゲーム制作をなんだかんだでやり切るんだろうなあという信頼みたいなものもあるかな。あとは自分が結構ぞんざいに扱われてることに対して少なからず不満を抱いている感じもあるけど、不満の表明がわかりやすい英梨々や詩羽とは対照的ですね。

 

1期時点では、結論ありきで見返すと実は結構……?みたいな描写が多い。というか普通に初見だと、6話ラストくらいしか素に気づけない(し、それが素(ナチュラル)だとは思わない)。どちらかというと、サークルやゲーム制作そのものへの心情の移り変わりが大きい感じかな。

 

 

(1期0話、♭0話)

アニメではいきなりこの回から始まった問題のサービス回。場合によっては意味わからんとか言われて切られる恐れすらありそうだけど、まあオタクなら美少女たちがお風呂でキャッキャウフフしてたらうれしいでしょ。これのせいで女性に勧めにくいんだけどな。

この回は時系列では1期の12話よりも後だけど、放送順的な問題から、加藤のフラットさが強く描かれているような気がする。まあちゃんと最後にメインヒロインらしく夜空を二人で眺めるとかしてるんだけど。制作陣が明言してるとおり、アニメについては加藤がしっかりメインヒロインになるように描いてるよね。(0話でちゃんと出番があるのに美智留はどうして……。)

この回はサークルとかを大事に思ってる描写もあったけど、キャラ紹介的な意味合いがやっぱ大きいかな。倫也がほかの3人に弄られててもあんまり何も反応ないあたり、嫉妬深い感じはあんまりないし、この時点では好きって程ではなさそうかなあ……。

 

♭0話もほとんど展開的には変わらない感じだけど、詩羽が倫也を連れて行ってることに最初に気づくあたりはちょっと正妻感ある。そのあとに自分が倫也を連れて行ってるわけですが……。

最後に、倫也とお互いの役職を切り替えながら一言ずつ言い合うシーンが映画のラストで持ってきてますよ!!! なんで俺気づかなかったの!!! (これに気づいたのは2020年2月に冴えカノを一気見した時です。)

 

♭1話

1話はまあ詩羽と英梨々回なので省略。倫也への難聴鈍感最低主人公君って言い草は本音も少しは入ってる……とは思えないけど、加藤もかなりオタク的語彙力が豊かになってきたなって。

 

♭2話~4話

2話からはまた詩羽回。英梨々のストーキングに付き合わさせられてるけど、これは英梨々が親友だからかなあ。主体性ないなあ加藤。このタイミングでしれっと合鍵を手に入れている加藤。どのタイミングでもらったんだろうか。合鍵もらうとか結構クリティカルなイベントなはずなのに端折られてて、本当特別なイベントでもなんでもなく渡されたんだろうなあという気がする。お約束をあえて外すというのも加藤ルートの特徴かもしれない。だからこそお約束の王道展開が映えるのか……?

 

3話、詩羽に呼び出されて2つのルートに何か大きな意味があると感じた加藤は今までにない熱心さでシナリオを読みだす。ここの倫也の「いつものフラットで投げやりな様子の加藤らしくないよ」ってセリフに対して、「認識が間違ってる上に、そうやってデリカシーのないことを言われるとムカッとするよね」って返してるけど、結構遠慮なく不満を言うようになってきてるよね。あんまり感じてなかったけど、これ以外にも倫也への返答が少しずつきつくなっていってるし、これが「関係性が段階的に変わる」って奴ですか……。

加藤はゲーム制作に本気になってきている段階で、夜食作ったりスクリプト組んだり献身的すぎる。多分、このあたりで加藤自身も創作って楽しいのかもと思い始めている気がする。1期の終わり辺りは創作を楽しんでるというよりは、サークルのためにって感じが強かったのかなって。冴えカノはクリエイター讃歌もテーマになっているので、創作活動に巻き込まれることでその魅力にひかれていく一般人としての立ち位置も加藤は担っているのかも。まあ文化祭の準備みたいにみんなでワイワイやるのが楽しいっていう、より普遍的な部分にとどまっているかもしれない。ここに関しては詩羽の意図が知りたいってのも大きそうだし。

 

4話、詩羽が2つのルートに込めた意味を理解したのは実は加藤だけだった。「まずいよ安芸君、この選択は霞ヶ丘先輩にとってとても重い意味をもってるよ」と珍しく焦ってるシーンが印象的だけど、これはその意味を倫也が理解したうえで自分を選んでくれるかもしれない(逆に自分は選ばれないかもしれない)という期待(と焦り)も無意識にあった説

最後、詩羽の代わりに瑠璃(沙耶香(詩羽))としてダンスをするのは正妻の余裕? 瑠璃が選ばれなかったとはいえ、なんで先輩は加藤に行かせるんですかね……。まあ瑠璃も巡璃も倫也にとっては加藤をモデルにしたヒロインだから仕方ないね……。詩羽=瑠璃って加藤と詩羽しかわかってないし、これ作中でも倫也(と英梨々)は最後まで気づかないままだったりしそう。

ナチュラルに自分が倫也にとって一番だと加藤が思ってるのはこの辺もそうだったのかもしれない。ここで加藤の髪型がポニーテールからロングになったけど、1回目の髪型変更とは違って結構ちゃんとした意味がある変更。ただここでは自分の意思ではなくて詩羽の意思だから、次の髪型変更とはやはり微妙に意味合いが違うよね。

 

♭5話、6話

問題の5話。英梨々のこと、サークルのことを心配する加藤の描写がかなり強調されている感じ。ここまで心配するのは初期だと想像もできなかったくらいの変化なんだけど、ここまで見てきてると違和感をあまり覚えない。サークルを心配してるだけだと違和感もあったかも?だけど、親友の英梨々を心配しているってのが同時にあるので、より違和感が薄くなってるのかも。

 

6話、英梨々が倒れたことを相談しなかった倫也に対して、初めて表立ってはっきりと不満を口にした(普段の投げやりな問答ではなく、明確な拒絶)シーン。普段優しい人ほど怒ると怖いみたいな話があるけど、この時点では僕もそのパターンだと思ってた。まさかこっちが素(ナチュラル)だとは……。加藤は普通の女の子だから、オタクがよく抱く気持ちの乱高下が少ない生活を送ってきたはず。それが倫也と知り合ったせいで、何かに熱中する楽しさを知ってしまった、それにより恵自身も知らなかった黒くて根に持つ嫌な女の自分が出てきてしまったのだ(ホンマか?)。

もとから恵はそういう人物だった、ととるか、そうなる素地はあったけどもとは違ったととるかは難しいところ。前者でとるなら1期6話のラストは素が出たという解釈。後者でとるならそういう人格が生まれる萌芽と解釈することになるけど、これは最初からそういうキャラだとなんか嫌だなって思ってしまう個人的な感情なので多分もとからこういうキャラなんじゃないかなあ。

(ここ何言ってるのかわからんかもなので追記 当時の僕は加藤恵が元から嫉妬深くて黒い女の子ではあってほしくないと思っていたらしいので、倫也たちと交流したせいでそうなってしまったと解釈できないか試みていたようです。まあ最後には諦めているので多分無理筋)

 

7話、加藤はずっと怒ってて倫也を避けてるので、あんまり出番がない。英梨々と詩羽を怒らせてしばらく疎遠になった経験がある倫也的には3人目ですよね……。オタクは成長しない(確信)。英梨々は7年かかったし、詩羽も半年かかったことを考えると2カ月ってのはまだ少ない方だったんですね。でもなんだかんだスマホで連絡ちゃんと読んでくれるどころか、ずっと画面見てる辺りがチョロい。加藤もこの時点ではすごく寂しさを感じてたようなので、当たり前ではあるんだけど。

ヒロイン3人は全員面倒くさいけど(美智留と出海は面倒くさくないので丸戸のヒロインっぽさがないよね……だから不人気なのかなあ……)、なんだかんだみんな倫也にはチョロいよね。面倒くささもチョロさも加藤が一番だったとそういうことですか。やっぱりメインヒロインは強いなあ。

 

加藤が自分の恋心を自覚した♭8話。加藤は自分自身でも自分をフラットだと思ってるから、♭6話時点ではなぜこれほどまでに倫也を許せないのか、なんでこんなに怒れてくるのかわからなかったんだろうなあ、と。

♭8話のBパートは原作者もだけど、僕も一番好きな回ですね。

久しぶりの倫也と一緒に過ごす放課後だけど、放送室で感情の発露を見せてしまったので、買い出し中はちょっとクールダウンしてフラット目な対応。まあやってることは完全に夫婦なんですが……。冷静に考えて同級生の男子の前で下着買うか? 全然まったくこれっぽっちも*3意識してないか、意識しながらあえてやってるかのどっちかだろうけど、まあこれは間違いなく後者ですからね。加藤、内心ウキウキでしょ。

「あ~またそのパターンね~」で親のいない男子の家に泊まるけど、まあそれは今までもあったし……。と思ったけどこの思考方法はダメだ、「今までにもあったし」で済ませてるから、加藤に怒られるんだ。人と人との関係って変わるんだからこっちでももっと対応変えなきゃダメでしょ。やっぱりルートに入ると違いますね……。倫也もゲームのヒロインに対してはその辺わかってるはずなんだけど、リアルではわかってないんだよな。まあオタクってリアルとゲームは潔癖なくらい別で考えがちだから……。ここの会話はほんと、この作品の核といってもいいですよね。人と人との関係って変わるんだよなあ……。

前後するけど、放送室で倫也がいう劇中作の作品コンセプト

・女の子が魅力的に変身していくさまを詳細に描き、ヒロインへの愛着を育てる。

・主人公がヒロインのことを好きになるだけではなく、その主人公の分身であるプレイヤーまでもが本気で好きになることができる、魅力あるヒロインを表現する。

・ヒロインのふとした仕草、考え、行動を魅力的に、活き活きと描くことで、まるで現実の女の子を好きになっていくように感じさせる。

※ただし上記は、二次元的なヒロインを否定するものでなく、あくまで二次元ヒロインをベースとして、そこに現実の女の子の曖昧さや、感情の揺れ、ほんの少しのネガティブ要素をミックスすることで、あたかも二次元ヒロインと本当の恋愛をしているかのように思わせるのを目的とする。

・主人公の選択等、ゲームの進行内容により、ヒロインの方も、主人公への感情が徐々に変わっていくさまをしっかり描き、ヒロインが本当に主人公に惹かれていくように感じさせる。

・上記のように、キャラクターのビジュアルや、ゲームのストーリーだけでなく、ヒロインとのゲームの中で過ごす時間そのものを貴重だと思える、心から彼女を愛することができるような作品を目指す。

は冴えカノ自体の作品コンセプトでもあるのでめちゃくちゃ大事なんですよね。やっぱりメインヒロインルート突入回だけあって作品のキモが詰まってますね……。どうでもいいけどお風呂でパチャンってする加藤めちゃくちゃかわいい。萌え死ぬ(死語)。寝るとき下着付けずに男のジャージ着てましたけど、あざとすぎるのでは~~~~? せっかく買ったのに……。ブ●ックサンダー食べるたびにこのシーン思い出しちゃうよ……。

 

♭も佳境に入ってきた9話。この回は、まあちょっとキツイ。詩羽と英梨々がサークルから引き抜かれる展開で、せっかく加藤関連の波乱が終わったと思ったのに息つく間もなく次の波乱がやってきて畳みかけてくるよ。加藤は出番なし。後半から詩羽たちの回想に入って、10話に続く。

 

♭10話も加藤の出番はほとんどないけど、「デート、してみよう、私たち」は1期の5話で加藤に倫也が言うセリフ「デート、してみよう」との対比ですよね。だからよくよく考えればこのデートも作品の構想のためってのは読めたはずなんだけど。あともう一つ大事なのは、髪型がもとのショートボブに戻ってたことだよね。今までの2回は、1回目がなんとなくで、2回目は詩羽のため、だったけど今回はちゃんと自分のために理由があって変えてるので、髪型変更イベントもちゃんと3回で完結してるんだよな(一応映画のエピローグでも髪型変更してるけど、それはノーカンで)。

 

♭11話(最終回)。デートの目的は5割隠したまま普通にデートしてた。1期5話ですっぽかされたことを茶化しながら不満だったと口にするわけですよ。あれ、結構怒ってたけど、倫也はあれ以来特に謝罪してないんだもんなー。あの時は言えなかった不満がちゃんと言えるっていう関係性の変化を表しててすき。1期の途中まではあんまり文句も言ってなかったけど、ここまでの流れだとこうなるよりほかないくらい自然なやり取りだよ。倫也がちゃんと謝るようになるのも♭8話からというか、あそこから力関係が変わった感。それまでは無理やり振り回される感じだった加藤だけど、もうこの辺では加藤が倫也を振り回してる感じだよ。

メガネをプレゼントされたイベントはもう1年くらい前だけど、倫也はずっとお返ししなきゃって思ってたのかな。どっちかというと、まあ理由付けがあのときのお返しってだけで、今まで重ねてきたいろいろなことへの感謝と謝罪の意味合いが大きそう。「同じだけど、全然同じじゃないし」って大事そうに帽子をもつ加藤が、とてもメインヒロインです……。

デートの本当の目的を明かす加藤。でもこれ実際どうなんだろうね。1期5話の時もだけど、一般的なシナリオならデートで励ましてもらうイベントだけど、実は作中作のシナリオのためのデートイベントになっている、と見せかけて実際のところは二人にとってかなり重要なイベントになっているという構成。一つのイベントに意味を重ねすぎだろ。深読みしすぎなオタク相手の商売がうますぎるよ丸戸……。

最後、二人で笑った後に、倫也が泣き出すシーン。抱きしめてあげようと手を差し伸べてから手を引っ込める描写、映画で答え合わせするの卑怯だよな。倫也は気づいてなかったけど、加藤にとってはちゃんと意味のある行動だったわけだよ。

翌日の始業式、名前呼びをキャンセルしていく。赤フレームのメガネ似合わないよな……。どうでもいいけど、眼鏡姿を見て笑ってしまってから、笑われた側が眼鏡姿を見られないようにする展開はパルフェの里伽子と仁でもあったな(男女逆だけど)。*4

 

Fine

映画に入ってからの前半の正妻ムーブ。焼き肉屋で嫉妬して黒くなったりする辺り、素が出てきてるなあって感じだけど、これたぶんアニメ2期から地続きだとちょっと違和感覚えるレベルの変化に見える気がする。2期時点では嫉妬する姿ってほとんどないしね。2期終わってから映画になるっていうリアル時間間隔もうまく使っている感じがするな。

タイトル出てから、なんか全然違和感なく見てたけど、冷静に考えたらなんで一人だけ打合せの集合時間前に来て料理作ってるんだろうか……。紅坂朱音のアドバイス後もだけど、普通にシナリオの相談してるよな。まあ2期終わりが4月の始業式で、映画は夏休み終盤なので4カ月くらい経ってるから、この間により親密になったんだなってのが、開幕ライブシーンの二人のやり取りでわかるわけですか。うーん描写がうまい……。 

ここからしばらくは本読みという名のイチャイチャでした。フラットっぽくありながらも、かなりメインヒロインっぽい反応が増えてきている。加藤→倫也の対応の変化に全然違和感を覚えないんだよな。段階的に二人の関係性が変わってきているのがすごい。このイチャイチャシーンは好きなセリフが多すぎるので、割愛。一番好きなのは、「好きな人と恋人同士になっていくのって、結構勇気がいることだと思うよ。それを生ぬるいなんて言われたらなんだかなあってなっちゃうけどな」とちょっと怒りながら言うところですね。フラットに対応してるけど、内心はめちゃくちゃドキドキしながら倫也との関係を深めていってるのが窺えます。は~~~加藤恵~~~~。

このシーン、単なるイチャイチャに見せかけて(いや単なるイチャイチャも多いけど)、作中作のシナリオを振り返るという内容で、1期2期の内容も振り返ってそのとき加藤がどう思っていたかを間接的に見せてるのがうますぎる。は~丸戸天才か?

あと、もう一つ大事なのがお互いに名前で呼び合うイベント。本来は名前で呼び合うようになるはずだったイベント(作中作(巡璃15))を、作品の方(♭11話)ではキャンセルしてしまったので、ここにぶち込んでいく。翌日もちゃんと名前呼びでよかったけど、倫也の「こちらこそよろしくお願いします恵さん!」って結構クリティカルなセリフじゃないですか? 二人の変化に気づける出海ちゃんと全然気づかない英梨々の対比もだけど、英梨々の挨拶に倫也が普通に返しながら、加藤はワンテンポ遅れて返してるのも細かいなあ。

 デートの約束のシーン、いいですか? いやここさあ、加藤さんさあ……。「そういうのずるい……」からの「絶対行く」の演技、甘すぎでしょ。フラットどこいってんね~~~ん!(突然の関西弁) いやもうお前この……。これまでデートは1期2期と一回ずつ六天馬モールでやってきてたし、その時もデートって明言しながら、実際は作中作のためだったんですよね。ここのシーンではこの本音(作品の取材)と建前(デート)が逆になっててはわわわ~ってなってしまう。

まあ伏線張ったから仕方ないけど、転がやってきますよね……。デートすっぽかしそのものが転か、というとそうではないよね。その翌日の誕生日会(というかサークル活動)でも、お互いに名前で呼んでたり(口パクだけだけど)、伊織の抜けた穴を加藤が代わってやるって言い出すし、この時点ではまだまだ全然なんとかなったよ。ただ、この時点でも、英梨々と電話するシーンで、加藤は倫也が向こうに行ってしまうことを恐れてそうなんだよなあ。「もう一人いるよ、10年前から英梨々のことずっと見てきた人が、さ……」って言ってるし……。ただそうやって予想はできたけど、でも行かないでほしいと思ってたんだろうなってなるのが、電車の別れシーンで涙を流すところだよな……。

「私はあなたのメインヒロインにはなれないよ」ってどういう心情だったんだ。倫也が自分(やblessing software)から離れていくのが辛いってことはわかるんだけど……。やっぱり美智留がいう通り、自分より英梨々と詩羽を優先したことが許せなかったのか……? なんかそんな単純な気持ちにはしたくないよな(厄介オタク)。保留で。

その前の「二次元の女の子みたいに笑顔で送り出せばいいのかな」と繋がってると考えて、倫也が理想とする「二次元ヒロイン」みたいにはなれないということが言いたいのでしょうかね。fineのクライマックスシーンでは倫也が「二次元の女の子も好きだけど、恵が一番好きだ」って言ってるので、あれはこれを受けての答えだったということかもしれません。(何回も映画を見てると倫也が二次元ヒロインを好きなオタクなことを忘れそうになるので良くないですね。こいつ1期1話で「まだ3次元なんかに未練があるのか」とか言ってたんですけどね)

 

そしてついに「転」に入ったわけだけど……。今回は一応ちゃんと連絡と報告はしてたけど、相談せずに英梨々と詩羽のとこに行ってしまった倫也であった。まあでもこれは加藤には悪いけど、行かないとダメだっただろうなという気がする。英梨々と詩羽のことでシナリオ製作に手がついてなかった描写があったので、多分あのままだったらどっちの作品も納得いくものにはならなかっただろうなって……。

♭の「転」(♭6話)と同じく、こっちでも離れる時間ができるわけで、その時間がより互いの気持ちを強固にするとかいう展開が王道なのに王道じゃない。この「転」があったからこそ、最高に面倒くさいメインヒロインが出来上がったり、巡璃シナリオが完成したりとやっぱり作中の作品的にも必要な「転」だった……。この展開、二人が紅坂朱音に引き抜かれた時点で、丸戸はもう考えてたんだろうなあ……。どうでもいいけど、♭6話のころは2か月で、こっちでは2週間になっていて、離れていて我慢できる時間がどんどん短くなってる感じ、加藤の倫也への気持ちが大きくなっているのを数字でちゃんと現わしてて好き。

倫也がいなくなってから、サークル活動もできなくなってたけど、出海と美智留が発破をかけてやるように。加藤が怒ってる理由は、倫也がサークルを放っていったからではなく、英梨々と詩羽のところに行ったからなんですかね。加藤、♭8話でもそうだけど、動揺するとフラットの仮面がはがれて怒り出すよね。泣くのはさらにどうしようもなくなったときっぽい……。つまり泣いたときが一番ヤバいってことか……。倫也は結構泣かしてるな……。これは本当にどうでもいいけど、「怒れてきちゃう」って言い回しは丸戸の趣味で方言持ってきてるんでしょうね(里伽子もそうだし……。)*5

坂道での告白シーン、手を握ってきた倫也の手を一度振りほどいてから自分から手を繋ぎにいくのが破壊力高い。どんだけ倫也のこと好きなんだ。

「合格、だよ」は、1期3話の「合格かな?」との対比ですよね(いや1期1回見直してた時には気づきませんでしたけど、2回目のときに気づきましたよ。こんな序盤のさらっとした一言持ってくるとか頭おかしいんじゃねえか脚本家(褒め言葉))。

 

答え合わせの回想。「倫也君は私の、だよ……!」が恵の素なんだろうけど、はっきり言ったな。「私にとって倫也君は普通だった、特別じゃなかった。だからこそ彼がいいなって思った。」このセリフがどういう意味なのか、完全に理解するまでは囚われ続けることになりそう……。「キャラが死んでた」恵にとって、かなりの時間を一緒にすごす異性は今までいなかった、そんな中やたらうるさいオタクがずっと一緒にいることになって、3代有名人だなんて言われてるけど一緒にいても変に意識しなくてよくて、普通に楽しかった。だからこそそれが心地よかったってことなんでしょうか。そうすると劇的な出会いも、ドキドキする展開もいらない、「つまんない恋」がいいとそういうことになりますね。(結局パルフェと同じ解釈に持っていこうとしている)

(にわかなので、あんまりパルフェのことに言及するとエロい人にその解釈はおかしいとか言われそうだから控えた方がいいのかもしれない)

 

 加藤恵まとめ

♭な仮面に真っ黒なナチュラルをもつヒロイン。前半どころか中盤までその♭さを寧ろ魅力として描いており、それだけでもかなり魅力的に描かれている(自然な形で主人公の傍にいる正妻系ヒロイン)。一方でその♭の中にもグラデーションがあり、自然に段階的に主人公との関係が変化していく。転換点となる♭8話で大きな波がやってくるけれど、それでも普段は♭な姿勢を残しつつ、ナチュラルな部分を出してくるのが多くのオタクを萌え死に(死語)させたのだろう。好きになった理由など、ラブコメでの核心となるような部分は劇的なものではないのがすごい。後半のナチュラルを知ると、前半の♭な態度の裏の心情を読み解くことになり、何度も見返してどんどん沼にハマっていってしまうそんなヒロイン。

 

 

3 澤村・スペンサー・英梨々霞ヶ丘詩羽の魅力について

ここまでメインテーマである加藤恵の魅力の描かれ方について振り返ってきたが、『冴えカノ』はただ加藤恵がかわいい!というだけの作品ではない。というよりも、キャラクターを魅力的に描くというのはエンターテインメント作品なら当然目指すべき部分である(もちろん、魅力的に描けるか否か、どれだけ魅力的に描けるかどうかという点はピンキリではあるし、『冴えカノ』はその点でも傑出しているのは間違いないが)。

 

もう一つの『冴えカノ』の魅力は、クリエイターのプライドやオタクのこだわりといったものをシナリオや演出や作画といった様々な面から描いているということである。

例えば、この作品は全話通してふとももや脚の描写がとても多い(最も有名なのが詩羽のストッキングの描写だと思うけど、加藤のふとももの描写もすごいんすよ!♭1話のスマホでペチペチするとことか! あと美智留も制服以外は絶対生足にするとか決まってるみたいです)。一方で簡単にはパンツを見せないなど、制作陣のこだわりがうかがい知れる描写があり、これは作品そのものに込められたオタクやクリエイターとしてのこだわりをメタ的に表している説(単純にそういう絵にしたかっただけとかそういうことは言わないで)。

 

そしてシナリオにおいて、クリエイターやオタクのこだわりという役割を担うのがヒロインの澤村・スペンサー・英梨々霞ヶ丘詩羽である。この二人は主人公、安芸倫也に恋するヒロインでありながらも、それ以上にクリエイターやオタクとしての側面が強く描かれている。クリエイターやオタクとしてのプライドやこだわりと、ヒロインとしての恋心が複雑に絡み合い、その二つに揺れる姿が魅力でもあるので、これもヒロインとしての魅力という見方もできる。すなわち、このクリエイターやオタクに関する部分については、両ヒロインの魅力を語ることと同義になるのである(ホンマか?)

ということで、二人の描写を振り返ってみる。ちなみに倫也もオタクやクリエイターとしての描写を担ってるけど男の描写掘り下げても仕方ない(し、どのヒロインかには大体関係している)ので、個別で取り上げたりはしません。

 

1期

英梨々と詩羽については、1期2話の時点から、倫也の企画をダメだしするだけの実力もあり、プライドもあった。「クリエイターっぽいこと言って」という倫也のセリフに対する「クリエイターなのよ!」という二人の突っ込みはネタっぽく見せているけれど、自分は創作者であるという確固としたプライドが垣間見える。

その後、1期の4~6話で詩羽、7~9話で英梨々の創作者としてのプライドと、倫也に対する気持ちを描いている。倫也のオタクとしてのこだわり(と彼女たち自身のクリエイターとしてのプライド)によって、思いは成就しない。メタ的にはまあこの時点で詩羽や英梨々の気持ちが倫也に伝わってしまう上に成就すると困るのでここで終わらせないんだろうけど、そこには二人のクリエイターとしてのこだわりとかプライドが、単なる恋心程度では譲れないものとして描かれている(今考えると、この「クリエイターとしてのプライドやオタクとしてのこだわりが枷になって想いを伝えられない」ってのが、fineで倫也が加藤に思いを伝えられる理由になっててはえ~~~~って感じ)。

 

♭に入ってもこれはあまり変わってない。

♭2話~4話では詩羽がメインに描かれる。自分の想いを込めたシナリオを渡して倫也の気持ちを知ろうとしたけど、全然気づいてもらえない上に、自分のクリエイターとしてのプライドまで傷つけられる。まあ、♭2話で「面白くないものを面白くないという目と勇気を持ちなさい」ってフラグ立てるから……。

結局よりよい作品を創るっていうクリエイターとしてのプライドが勝って、詩羽の倫也に対する気持ちは先延ばしになってしまうわけで……。(まあもともとシナリオに込めた意味を倫也に読み取ってもらおうとする時点で無理があったよね。そんなの難聴鈍感最低主人公の倫也にわかるわけないだろ! 詩羽がチキンでなければとっくに勝負ついてたよなあ……。まあこの、いざというときにヘタレるのが詩羽の魅力の一つではあるんだけど。)

 

英梨々は♭5話~6話。英梨々については、クリエイターとしてのプライドそのものが倫也との過去の因縁と紐づいているというか、クリエイターとしてのプライドを持っていることの原因そのものが倫也というか、そういう余計ややこしい状態なわけで。倫也に認めてもらうため、倫也の1番になるためにカンヅメまでして最高のイラストを描くわけではあるけど、そこにはクリエイターとしてのプライドもあるはず? ただ英梨々自身も、倫也への想いと、クリエイターとしてのプライドを切り分けて考えられないほどこじれにこじれてしまっているのがなかなかに面倒くさい(褒め言葉)。しかし倫也が英梨々のことを「予想通りのクオリティで締め切りに間に合わせるに決まってる」って評してるセリフ、英梨々はどんな気持ちで聞いてたんだろう……。

そういえば、この倫也の発言で本来怒る側でない方(ここでは詩羽)が怒って、もう片方がそれを制止する展開、英梨々も詩羽もどっちもあるんですよね(1期5話の詩羽と、♭5話の英梨々)。ここはやっぱりそれぞれクリエイターとしてのプライドがあるんだろうな。やっぱり倫也がいなかったらこの二人もっと仲良くなれたのでは……。まあ倫也がいなかったら知り合うこともなかったかもしれないけど……。間に挟まる男のせいで、本来ならすぐに仲良くなりそうだった二人が微妙に仲悪くなるっていう展開、パルフェの花鳥姉妹じゃん。

 

♭6話で無事に最高の7枚を描き切って、倫也の一番になれた英梨々だったけど、その後はスランプに陥ってしまう。これは倫也が認めてしまったから描けなくなったということなのか正直わからないが、これまで倫也に認めてもらうために描いてきた英梨々からすると、この時点でこれ以上死に物狂いで頑張る理由が無くなってしまったというのは間違いない。倫也との約束である凄いイラストレーターになるためには、倫也に認めてもらったらダメだったとかいう……詰んでる……。

「友達以上の距離で放ってお」くことを求めながらも、「恋人未満の位置でずっと見てて」ほしい(Blooming Lily)とか、英梨々も相当に面倒くさい。この一線を越えてしまうと、絵描きなのに絵が描けなくなるんだよなあ。

本当は、倫也に認めてもらいながらも、どんどん凄いイラストレーターになっていくことは両立できると個人的には思うんですけどね。ただ、この時点で英梨々はクリエイターとしてのプライドと倫也への想いを区別できていないから、倫也への想いが成就しそうになったらイラストレーターとしても前に進めなくなるわけですよね……。まあ英梨々に無理をさせられない倫也の方にも問題があるけど、それはまあ過去のトラウマとかあるから仕方ないよね(珍しく本当に倫也に仕方ないねって思える点)。

 

♭7話の詩羽、柏木エリというイラストレーターに倫也以上に惚れこんでいるといっても過言ではないよな……。♭の5話から倫也の英梨々に対する評価を聞いてキレてたけど、やっぱり詩羽は柏木エリの信者なんだよなあ。幼馴染というフィルターがかかってない分、倫也よりも柏木エリのことを高く評価してるのは間違いないでしょ。好きな男子へバレンタインデーのチョコを渡したのに、別の女の話をした上に怒って出ていくとか相当おかしな話だ。ここは恋心を持っていようと、オタクとして譲れないところは譲れないという描写でもある。オタクってこういうところあるよな……。

 

♭9話~11話の詩羽と英梨々。

この展開、倫也への想いよりもクリエイターとしてのプライドや興味を二人は優先したって解釈なのかもしれないけど、個人的にそうは思わない(まあ詩羽についてはそういう面もあるとは思うけど)。

英梨々については、倫也への想いとクリエイターとしてのプライドがこの時点では不可分になっているから、多分本人はどっちも取ろうとしているんだよなって。「倫也の傍にいたら、倫也の求めるすごいクリエイターになれないよぉ……」って泣くシーンはこっちまで泣いてしまう。この選択で倫也への想いが成就しなくなる可能性が大きくなるってことはわかってるんだろうけど……それでも倫也との約束を守りたいんだろうなって。

詩羽については、フィールズ・クロニクル自体の魅力もあっただろうけど、柏木エリと一緒に仕事ができるっていうのがかなり大きかった。そしてもう一つが、倫也のクリエイターとしての才能を見てみたいっていう心情。英梨々と倫也はクリエイターとディレクターって感じの関係性が強いけど、詩羽と倫也はクリエイター同士って関係性もあるのが大きな違いかなあって。1期6話での「クリエイターの世界へようこそ、安芸倫也君」っていうセリフとか、♭4話でリテイク作業後に倫也の書き直したシナリオを認めるシーンとか、倫也のシナリオライターとしての能力を評価するシーンが多い。極めつけは、♭11話で「だれにも頼らないあなたの全力が見たかった」で、詩羽は倫也に(クリエイター的な意味合いでも)期待しているんだよな。倫也へ期待しているからこそ離れたっていうのもあるので、単純に恋愛よりもクリエイターとしての道をとったってわけではない。

まあここまで書いといてなんだけど、やっぱりここは二人がクリエイターとしてのプライドをとったって考えた方がわかりやすいですね……。

 

詩羽と英梨々は互いが互いの信者であるという点でクリエイターとしてのプライドだけでなく、オタクとしてのこだわりもあるわけよ。英梨々が描けなくなってる姿は柏木エリのオタクである詩羽としても見てて辛そうだったし、詩羽をバカにされたところは霞詩子のオタクである英梨々からしてもムカついてる。やっぱ単純にクリエイターとしてのプライドとったってだけではなくて、オタクとしてのこだわりもあったんだろうな。オタクとしてのこだわりが恋愛よりも優先されるってのは、クリエイターのプライド云々よりも視聴者的(個人的)にわかりやすい……(この作品見てる人は大概オタクだし……)。常々思うけどオタク、なんでどうでもいいところでこだわってしまうんだろうな。生きるのヘタクソだよな……。それでもこだわりを捨てるわけにはいかないんだよな……わかるわ……。

 

♭11話、「もう後ろは振り返らない」からの一瞬で振り返る姿が未練だらけで笑ってしまう。ここの見送りシーン、英梨々は何も気づいてなさそうだけど、詩羽は加藤が裏で何かしただろうって推測してる説。じゃないと「いいえ今日からあなたは不倫理君だわ」につながらない気もする(本命に加藤がいることがわかってないといえなくない?)。

ここで割と重要なのは詩羽が倫也にキスしたことですよね。いかに難聴鈍感最低主人公の倫也とは言え、さすがにマウスtoマウスでキスされたら、自分に好意を持ってることを疑いはしないし……。倫也が初めて誰かから好意を持たれてることをはっきりと自覚するきっかけなんだよなあ。ギャグっぽい描写ではあるけど、詩羽からしたらめちゃくちゃ勇気いっただろ……。倫也に負けず劣らず、詩羽も(英梨々も)奥手のオタクだから、恋愛に関して踏み込むのはかなり大変だったろうに……。こんな別れ方したオタクが、次出会ったとき(fine序盤のライブハウス)ほかの女とめちゃくちゃ親しげにしてるの許せますか?

 

fine

映画序盤の段階で詩羽はもう半分くらい(9割くらいですね……)諦めてそう。ライブで親しげに話してる加藤と倫也を見たら仕方ないね。焼き肉屋でもやたらいろいろ言ってたけど、キス云々の話をあえてしたのも、加藤の反応を探るためだったんだろう(ただキスした男が他の女とイチャイチャしてたからムカついただけではないはずや!)。対して英梨々、マジで全然気づいてなくて草生える。ホンマ、お前そういうところやぞ……。まあ英梨々も鈍感主人公気質だからな。他のヒロインとは違って幼少期に倫也と同じ環境で育ってオタクになったらそうなってもおかしくない(ホンマか)。

 

詩羽、せっかくの倫也にアドバイスできるチャンスを紅坂朱音にとられてしまう。出番まで奪われてかわいそうすぎるけど、今後の展開的にこうせざるを得ない。やっぱり詩羽が一番損な役かも。

本人たちもメタ的に言っているけど、劇場版では今までとは違ってがっつり出番が減ってる。もちろん見せ場がある分、美智留と出海よりはマシだけど、前半の倫也と加藤の本読みシーン(という名のイチャイチャシーン)とかは全く出番がないよ。タイトル前の焼き肉屋の次の登場シーンが転に入ってからだし……。

 

紅坂朱音の件について、詩羽が倫也に最初嘘をついた(自分たちの担当分はもうほとんど終わっていて紅坂朱音がいなくてももう問題ないというセリフ)理由は何か。この時点では、詩羽も倫也がヘルプに入ってくる(その結果、メインヒロインルートに入ってしまう)ことまでは思い至ってない(じゃないと、「自分たちを心の底から信じてくれてそのためなら何でもする人なら……」って言いながら倫也の存在に気づくことはなさそう)。

でも単純に心配かけさせないためってだけではオタクとしては面白くないので……。ここはクリエイターとしてのプライドもあったのかなあと。詩羽のクリエイターとしてのプライドは、1期2期を経て倫也の師匠としてのプライドもある(はず)。師匠として弟子に心配されるなんてのはプライドが許せなかったというのもありそう。倫也から見れば詩羽はお釈迦様かもしれないけど、実際のところはまだ2作品しか出してない新人作家で、紅坂朱音に守られる存在だったってのを知られたくなかったんじゃないかなあと思います。(冷静に考えれば10代で50万部も売ったうえに2作目もアニメ化前提で売れてる時点で相当すごいんですけどね……。)

逆に英梨々は全然詩羽の気遣いに気づけずに全部言っちゃうんだよな。この辺はやっぱり天才だからなのか……。

 

英梨々と加藤の電話。英梨々は「この作品は私にとっても、世間にとっても最高傑作でないといけない」って言ってて、クリエイターとしてのプライドが窺える。でもその後に、「じゃないと倫也と恵の元から離れた意味がないもんね」とも言ってて、倫也たちへの想いも少なくない。これ、英梨々はまっすぐ自分の気持ちを言ってて、聞いてる加藤はホンマ辛いだろうな……。

 

マルズの決定を聞いた際の詩羽の淡々とした態度はちょっと違和感を覚えるようなレベルだった。英梨々ほど感情が前に出ないとはいえ、詩羽もクリエイターとしてのプライドがあるはずなので、中途半端な状態でもう必要ないからってなったらもっとキレてもおかしくないはず。この辺、テレビアニメ版からの成長というか、心持ちの変化がうかがえる。詩羽は英梨々(柏木エリ)を守るって決意をしているから、自分がどう思うかよりも先に英梨々がどう思うか考えてそれをなだめる役割に回ってるよね。もう保護者じゃん。

英梨々が倫也に助けてもらうことを思いついたタイミングでも、その選択を選んだらメインヒロインルートに入ってしまうってことを伝えて、それでも良いの?って確認してあげるのほんと良い女すぎる。このシーン、詩羽としても倫也への気持ちをあきらめることになるのに……。まあ詩羽は倫也が加藤を選んだあとでも愛人で満足しそうな気がしないでもない。

このシーンの英梨々は、めちゃくちゃ感情が爆発してて何回見ても泣いてしまう。加藤が倫也のことを好きとはここまで一度も考えたことなかったのかも……。視聴者ですら♭6話~8話に入るまで、ずっと加藤の心情はちゃんとわかってなかったから、鈍感主人公系統の英梨々には当然わからないし、そもそも英梨々も自分のことで結構いっぱいいっぱいだったしな……。倫也との約束を守るためには、倫也への想いを諦めなければいけないっていうの厳しいよな。これ♭10話と流れ自体はあんまり変わってないけど、♭10話は倫也を裏切るのが辛くて泣いてた一方で、今回は倫也を諦めることが辛くて泣いてるから微妙に違う。

英梨々は結局ここでクリエイターとしての道を選んだってことだけど、やっぱりクリエイターのプライドが勝ったということになったのか……? 英梨々のクリエイターとしてのプライドは倫也との約束や想いと紐づいてたはずだから、そんな単純な二項対立ではないはずで、根っこにある倫也への想いだけを諦めながら、茎や葉や花の部分であるクリエイターとしてのプライドと倫也との約束だけを肯定するっていう心の整理が必要だったってことになる。英梨々、めちゃくちゃ難しいことやってるな……。

よくよく考えると、この選択で倫也に助けを求めなくてももう巡璃(恵)ルートには入ってるから、恵グッドエンディング以上は確定だと思う。ただやっぱトゥルーエンドに入ってなければまだ自分たちにもワンチャンあると思ってるのかな。確かにこの転がなければ、倫也が加藤に告白するイベントは発生しなかったかもしれない……。告白イベントってギャルゲー(に限らず二次元の恋愛もの全般)において、受け入れたら永遠の愛一直線なんだよな(って1期8話でリトラププレイ中の加藤に倫也が言ってる)。これはオタクならあんまり違和感覚えずにすっと納得できる気がする。告白イベント成功までは、どんな状況でも巻き返しができるのがラブコメだから……(まあ告白イベント成功後に他ヒロインが勝つパターンも全くないってわけではないんだけど)。

 

実際の作業中に、倫也が加藤に送るメール文面を見たシーン。詩羽の「ああやっぱりね」って感じの目とか、「キモオタの実体験みたい」ってセリフから諦めがにじみ出てる。このシーンでも英梨々がいざこれを見た時どう思うかとか考えてたりするんだろうか。

英梨々も別のタイミングでちらっと?メール見てた。その後の「私、あんたがいても描けちゃうんだなあって」ってセリフが……。これは英梨々が倫也を諦めたからこそっていうより、英梨々が倫也よりも前に進んでいこうって決意をし始めてたから描けるようになったってことかな……。

 

英梨々「10年前、好きだった~?」、初見時はちょっとよくわからなかったんだよな。いや詩羽英梨々の決意シーンで泣いて、倫也加藤のキスシーンで泣いてってしてたから多分もう脳が限界だったのかもしれんけど。これ、10年前の気持ちを確認して、これまでの気持ちに整理をつけて、前に進むための儀式だったんだと思う。しかし倫也よ、「これからのこともごめんな」ってことはお前、英梨々が自分のことを好きだったことに気づいてたのか……? ちょっとこれはまた今後に考えることにしよう。

(考えてませんでした。ごめんなさい)

 

英梨々と加藤のお風呂シーン。自分から加藤に一緒に入るよう誘う辺り、英梨々の成長が感じられて涙不可避。全然諦める気もなければ倫也への気持ちについて嘘をつけない加藤を見て、これはもうダメかなって思ったんだろうけど、このタイミングでは声を上げて泣いたりしないの偉いわ……。ここで泣いてしまったら親友の加藤を苦しませちゃうと思ってるのかなあ。それでも最後にちょっとだけ「何よそれ……」ってなるシーンが、泣ける。

 

最後の坂のシーン。詩羽は英梨々に言い聞かせるポジションになってて、本当に良い女だなって。倫也が加藤にいってしまったから、今後の英梨々を支えるのは詩羽なんだろうなあ。倫也が追いかけてくるのを全力で前に進んで待っているためには、一人では辛いよね(3週目特典で英梨々が成長して詩羽に頼らなくなるの、エモすぎる)。

ここでは英梨々がめちゃくちゃ泣いてた。親友の加藤にも、好きな倫也にも涙は見せられないけど、戦友の詩羽になら見せられるってのが、二人の特別な関係性を表しててよい。ここも♭10話と同じ構成で、二人で泣いて前に進むことを決めるシーンなんだけど、対比になってていいよね。ここ、倫也が絶対に自分たちのもとまで来てくれるって信じてるんだよな。加藤は、倫也には自分が傍にいないとって気持ちがあるけど、この二人はもう自分たちがいなくてもここまで来てくれるって思ってて、形の違う信頼関係が描かれてるのが良い……。

 

このようにオタクやクリエイターの面倒くさい一面をしっかりと描くことが二人を単なる負けヒロインではないキャラクターにしている。これは実は、加藤恵を描く際にコンセプトで挙げていた部分とも共通していて、二人も単なる二次元的記号まみれのキャラクターではない魅力あるヒロインとして描かれている。僕はテンプレ的ヒロインも嫌いじゃないけど、やっぱりそれだけじゃこの美少女群雄割拠のオタクコンテンツ戦国時代は生きていけないよね……。

 

4まとめと言い訳

本作品の魅力は主にメインヒロインを魅力的に描くという点で「加藤恵」に、クリエイターのプライドやオタクのこだわりを描くという点で「澤村・スペンサー・英梨々」と「霞ヶ丘詩羽」に仮託されている。

このうち1つ目のテーマが「メインヒロインが一番人気にならない脚本家」として有名な、丸戸さんにとってのメインテーマだったと思うため、やはりこちらがメインなのではないかなという言い訳。*6

こんなクソ長い感想を最後まで読んでくれた人には感謝。でもその時間で冴えカノ見直した方がいいよ。

*1:円盤特典のスタッフコメンタリーで丸戸自身が否定してて草生えた 確かに原作では違うこと言ってたな 「オ○ニーしろ少年!」はそのままだったけど

*2:誰かを批判するものではなく、自分を戒めるものです

*3:丸戸作品、この表現めちゃくちゃ出てこないですか?

*4:パルフェ 〜ショコラ second brew〜』は2005年に戯画から発売されたPC向け美少女ADV 脚本は丸戸史明

*5:夏海里伽子は『パルフェ』のヒロインの一人

*6:金髪ツインテールヒロインが好きならパルフェかこんにゃく(『この青空に約束を』)をプレイすればええねん。