アニメ感想置き場

アニメの感想とか書く

キャラで振り返る2022年アニメ 感想

2022年、面白いアニメ多かった!(毎年言ってる)

1クール20~25くらいと考えて大体80~90作品くらい見たらしい。今年も独断と偏見で選んだ20キャラ(20作品)で振り返っていきます。

例年通り、別に順位をつけているわけではなく、ここにあげていない作品でも面白かった!ってなる作品が多かったです。20作以外の他作品にもできる限り触れていきたいところ。

 

2021年は↓

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1.その着せ替え人形は恋をする

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乾紗寿叶

©福田晋一/SQUARE ENIX·「着せ恋」製作委員会

冬アニメから、通称『着せ恋』からJUJU様こと乾紗寿叶(いぬい さじゅな)。

作品のあらすじとしては、ひな人形の顔を作る「頭師」を目指す主人公、五条新菜(ごじょう わかな)君が、クラスメイトのギャルにコスプレ用衣装を作ってほしい、と頼まれるところから始まるラブコメディ。

オタクにやさしいギャルならぬ、オタクでギャルなヒロインの喜多川海夢(きたがわ まりん)に振り回されながらも、コスプレ衣装を完成させたり、イベントに行ったりしていく中で、お互い意識していくようになるという感じ。

(たぶん)R-18恋愛ADVやるとか思った以上にオタクな海夢と、ド真面目だけどひな人形のこととなると変態入ってる五条君などなど、キャラクターの魅力がしっかり描かれていて好評価。

©福田晋一/SQUARE ENIX·「着せ恋」製作委員会
喜多川海夢

周りに理解されるかわからなくても、好きなものは好きと言えばいいとかは日陰に棲むオタクとしてはまぶしいな~と思いました(会社ではアニメ見てるとか全く言わないし……)

結構、コスプレ描写もしっかりしてましたね。最初のコスプレ衣装が、衣装自体のクオリティは高かったけど厚めの生地を使ったせいで暑くて動けなくなっちゃうとかのシーンは、確かにコスプレイヤーの人は暑さ寒さ対策も加味して色々工夫されているのをTwitterで見るなあとか思ったりもしました。

©福田晋一/SQUARE ENIX·「着せ恋」製作委員会
『聖♡ヌルヌル女学園 お嬢様は恥辱倶楽部 ハレンチミラクルライフII』のキャラに
コスプレ中の海夢

 

ただ、この作品の特徴としてかなりお色気要素が強い。

着替えシーンとか風呂シーンとか、あと"そういう"シーンもかなり多いしラブホに行くとか結構際どい場面も多い(まあ紳士枠ほどではないけど)。

どうやら結構女性人気もあるようで、まあラブコメしてみたりとか、そもそもコスプレ趣味自体が比較的女性大目なジャンルだとか、好きなものを突き詰めていくうえで信条を貫いていく感じとか、女性人気がわからないわけでもないのですが、「これで女性人気あるのか……?」とも思ってしまったりもします。僕みたいなキモオタは大好きだと思うけど。

 

JUJU様は、有名コスプレイヤーでありながら、イベントで海夢が来ていた衣装のクオリティに一目惚れし、尾行したり会話を盗み聞きして新菜の家までやってきた人です。(こう書くとやべー人だけど、事実だから仕方ない。)

海夢ではなく、JUJU様を選んだ理由は・・・主人公との初対面時に全裸だったから!!!

主人公との初対面において、ヒロインが全裸であるのはまさしく石鹸枠の特徴と言えまして石鹸枠が失われてから幾星霜の時間が経過しもはや様々な作品に残る石鹸枠っぽい描写を霞のごとく摂取している身としては「せ、石鹸枠だああああ!」と叫ばざるを得ないファーストコンタクトでしたよええ。あと2話で海夢が乳袋の描写にこだわる感じに石鹸枠を感じますよね。石鹸枠の始祖である『星刻の竜騎士』とかを見ていただけますとわかるのですが、石鹸枠において乳袋文化というのは非常に密接なつながりがありまして、乳袋はリアリティがないだとかどうとかいう方々もいらっしゃいますが、そもそもそういう二次元キャラクターの表現技法なんだからリアルがどうとかそういうのはいいんだよ。

©福田晋一/SQUARE ENIX·「着せ恋」製作委員会
全身画像はBANとかされそうで怖いので顔だけで……

いや、まあこの作品に石鹸枠の幻想を見る人はそうそういないと思うのですが、僕にはクリティカルでした。それはなくても、JUJU様は一歩引いた目線から、暴走しがちな海夢や知識不足な新菜をいい感じに見てくれている感じがあって好き。

 

制作はCloverWorksさんですが、非常に作画や演出のクオリティが高い。あと、乳揺れとか、胸の谷間の汗とかこだわりがすごい……。冴えカノfineを作った会社だけあって、変態作画ですね……。

 

2.明日ちゃんのセーラー服

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谷川景

©博/集英社・「明日ちゃんのセーラー服」製作委員会

こちらもCloverWorksさんの作品です。

セーラー服に憧れる明日小路(あけび こみち)が、憧れの私立中学校に合格できたけど、実は制服がセーラー服ではなくブレザーになっていて……という感じで始まる物語。

 

中学女子1年生をメインにしたアニメで、天真爛漫な小路とクラスメートの娘たちそれぞれが活き活きと描かれていました。なんというか、こう、子供から大人へと成長していく最初の一歩のみずみずしさを切り取ったような作品でしたね。

毎話かは定かではないですが、一枚絵風の絵が差し挟まる演出は、まさしくその一瞬を切り取ったってことなのかと思いました。OP主題歌の『始まりのセツナ』ではそういったことが歌われているのかなと思っていて、だからこそ「時間が止まればいいのになって思うよ」なんだと思います。

©博/集英社・「明日ちゃんのセーラー服」製作委員会

出席番号9番の谷川景(たにがわ けい)は、小路のクラスの委員長で小路曰く美脚の持ち主。小路との会話もあり、写真部に入部します。小路の仲良し4人組とは少し違う立ち位置ですけど、序盤で小路と仲良くなった娘でもありますし、小路を「友達」っていうコンセプトに選ぶ辺り、小学校では一人だった小路が、初めてしっかりと「友達」を理解できたところなのではないかなと思ったりもしました。

©博/集英社・「明日ちゃんのセーラー服」製作委員会

上述したように、この作品では切り取った瞬間が大事なのかと思っていて、だからこそ写真部に所属して、写真を切り取る景さんが裏の主人公なのではとか勝手に妄想しています(まあ、実際のところは小路と、一番の仲良しの木崎江里花(きざき えりか)の二人かなあとは思いますが……)。

 

それにしてもこの作品、着せ恋のエロ!って感じとは異なる変態っぽさを感じるというか、清楚で健康的なのにどこか艶っぽいというかなんというか。着せ恋がエロティシズムなら、明日ちゃんはフェティシズムって感じでしょうか。(いやわからんけど)

 

あと、なによりこの作品ですごかったのは最終回ですね。体育祭のラスト、小路が一番の親友の江里花のピアノ伴奏に合わせて、ステージでのダンス演目を一人で行うシーン。

最終回までは、体育祭頑張ろう!って感じだったのに、いきなり体育祭のシーンを一気に飛ばしてこの演目になって「あれ?飛ばしちゃうの?!」って思わせてから、小路のダンスの中で体育祭の皆の「セツナ」を切り取って映していく演出は感嘆してしまいました。

©博/集英社・「明日ちゃんのセーラー服」製作委員会

 

この作品は実はクール終わりに一気見してしまったタイプでした(自戒)。言い訳をさせてもらうと、序盤にこれまで小学校で1人しか生徒がいないという状態だった小路が、集団生活とかに不慣れで悪気なく空気を読めない感じになったり空回ったりするシーンがあり、共感性羞恥で精神力をごっそり削られてしまって……。

周りが見えてない感じやあまりに野生児すぎる描写が、この作品の舞台が高校ではなく中学校である理由なのかな、と。小路のやってること、すこし前まで小学校の中学1年生なら笑えたり無邪気だなあってなるのですが、高校生ともなるとちょっと苦しいなってなるので……。

 

3.天才王子の赤字国家再生術

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ゼノヴィア・マーデン

©鳥羽徹・SB クリエイティブ/天才王子製作委員会

ライトノベルからは、天才王子のゼノヴィア王女。

大陸辺境の小国ナトラの若き王子ウェインが、「こんな国、さっさと売国してえ~!」とか言いつつも、天才王子の頭脳を用いてなんとか王国を切り盛りしていく物語。

ヒロインはウェインの補佐官のニニム、大陸で最大の帝国の第2皇女ロウェルミナ、そしてナトラの隣国ナーデンの王女、ゼノヴィアという感じ。(ゼノヴィアがヒロインかは微妙かもしれない)

©鳥羽徹・SB クリエイティブ/天才王子製作委員会
左がロウェルミナ、右がニニム

ヒロインはどの子も魅力的なキャラクターのため、1キャラ選ぶのは結構迷いました。順当に作品の顔としてみるならニニムだし、個人的にはロワ(ロウェルミナ)も結構好きなのですが……素直に可愛い分でゼノヴィアを選んだ所存。

可愛いし真面目だし王女だし巨乳だしでポイントが大変高い。

 

同時期には、原作ラノベで同じく王国経営ものの『現実主義勇者の王国再建期』の分割2クール目もやっていましたが、天才王子は隣国との戦争やらその回避をメインに据えている点で、人材登用とか国内自治とかがメインだった『現実主義勇者』とは棲み分けができていたように思います。

あっちは主人公がめっちゃ有能というよりは、登用した人材が有能ばっかり、という感じですしね。(まあ有能な人材を登用出来て適材に配置できる時点で、統治者としては超有能なんですけど……)

©どぜう丸・オーバーラップ/現国製作委員会
『現実主義勇者の王国再建期』で登用された4人

 

この作品の魅力はなんといっても策謀溢れる国家間の諍いを、やる気はないけど能力はある若き王子ウェインが勝ち抜いていく、という点でしょう。できる限り面倒は避けたいウェインと、有能だからできる限り矢面に立たせようと思うロワとの頭脳戦の辺り(3話~5話)とか見ていて面白い。あと、ウェインの妹フラーニャが成長する8,9話あたりも好き。

©鳥羽徹・SB クリエイティブ/天才王子製作委員会
ウェインの妹のフラーニャ

そして、アニメにおいてすごかったのは、尺の範囲で物語が破綻せずにしっかり描けていたことなんですよね。何を当たり前のことを、と思われる方もいるかもしれないですが、ラノベ原作、特にこういった複数国家間の争いやら策謀やらをちりばめるタイプの作品は、アニメという限られた時間の枠ではその面白さが十分に魅せられない、どころか説明が不十分で視聴者がおいて行かれることも大変多い……。

ラノベでは1巻ごとに新ヒロインが出てそのキャラにスポットが当たっても、アニメではできる限りヒロインを多く出すような売り方が求められる以上、原作の多くの巻数をアニメ化範囲にする必要があり、余計と尺が狭まってしまう……。

対応策としては、出演ヒロイン数を犠牲にアニメ化範囲の巻数を減らす(1巻当たりに割ける尺を増やす)か、巻数はそのままに原作エピソードの取捨選択を適切に行うか、になるのですが……。本作品は原作5巻分のアニメ化で対応としては後者でしたが、これが非常にうまかった。原作未読の自分でも、展開ちょっと早いかな?程度で大きな違和感なく見終えることができました。

 

アニメ化、という意味ではとても良かったと思います。まあこういう描き方をすると1クールとしては良くても、続編が決まったらカットした部分が必要になるとかで困ったりする、というのもあるあるなんですけども……。

 

4.怪人開発部の黒井津さん

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ウルフ・ベート

©水崎弘明・COMICメテオ/「怪人開発部の黒井津さん」製作委員会

『怪人開発部の黒井津さん』は、秘密結社アガスティアにて、悪の怪人の開発部に所属するヒラ社員の黒井津燈香(くろいつ とうか)が、生み出した怪人たちと共にヒーローと戦って負けたり、怪人開発予算のための社内稟議を取ったりする漫画原作のコメディ?作品。アニメにおいては、サブタイがバカ長いのも特徴。

©水崎弘明・COMICメテオ/「怪人開発部の黒井津さん」製作委員会
主人公の黒井津さん

ウルフ君は、黒井津さんの生み出した怪人だけど、首領のアカシック様の気まぐれで、男の精神でありながら女型の怪人になってしまった悲しい生き物。そこはかとなく黒井津さんに想いを寄せるけど、妹とか娘とか程度に見られている感じが、がんばれウルフ君……という気持ちにさせてくれます。

 

悪の秘密結社側をメインに据える作品自体はこれまでもあったのですが、怪人の開発部に所属していて、どのような怪人を生み出すか、どうやって社内で了解を得るか、みたいなところが面白かった。アガスティアプレミアムフライデーがあるとか超ホワイト企業だけど、ハンコをもらいに幹部のもとに行脚するのは嫌だな……。

 

怪人は開発時に役割を与えられている以上、無駄な機能を持たないはずのところ、一種の「揺らぎ」を与えておくことで、柔軟な運用が可能になる(はず)、という黒井津さんの考え方が結構好きでした。揺らぎを超えて、発声器官を持たないはずの怪人マミーがアイドルデビューする10話は涙なしには見れないですよ。

©水崎弘明・COMICメテオ/「怪人開発部の黒井津さん」製作委員会

 

作品の特徴としては、毎回、日本各地のご当地ヒーローとコラボしているというところで、なんなら作中にもゲストキャラクターとして結構な頻度で出てきていました。

流石に声優さんではないので、演技はちょっとってなるところもあったのですが、作品全体に漂う良い意味でのB級感が、演技の下手さを許容できるような雰囲気になってて良かったです。それにしても、ご当地ヒーロー業界は全く知らない世界で、世の中にこんなにたくさんいるのか……と驚きました。

©水崎弘明・COMICメテオ/「怪人開発部の黒井津さん」製作委員会

 

5.かぐや様は告らせたい -ウルトラロマンティック-

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四条眞妃

©赤坂アカ集英社かぐや様は告らせたい製作委員会

かぐや様の3期。言わずと知れた有名ラブコメ作品です。

四条眞妃(しじょう まき)は本作のメインヒロインである四宮かぐやの遠い親戚で、学年3位の成績を誇る令嬢。ただ、かぐやと同じく優秀な部分とポンコツな部分が激しい感じ。1期から出ている、バカップルの男の方に片思いをしていることで、恋愛失恋相談をしに生徒会にやってきます。かわいそうでかわいい。

石上の眞妃へのアドバイスが白銀に刺さりまくるシーンが好き。

©赤坂アカ集英社かぐや様は告らせたい製作委員会

かぐや様は、1期2期もリアタイしてて毎回楽しんで見ていたのですが、逆張りの血が騒いでいつも少し辛めに視聴していたような気がします。

そんなかぐや様ですが、3期最終回のここまでの伏線等が回収されて「ウルトラロマンティック」な告白シーンまでの軌跡は、いやはや良いもの見たなという感じで、逆張りオタクでも納得せざるを得ない出来でした。

ヒロインの魅力はこれまでの積み重ねで魅せているからこそ、クライマックスシーンは単にヒロインの魅力を推すのではなく、伏線回収とか物語の構成とか演出で魅せてきている感じが、少し前の恋愛ADVっぽく感じました。

©赤坂アカ集英社かぐや様は告らせたい製作委員会

 

個人的に好きなのは、5話のラップ回。早坂に想いを伝えるためラップを練習する白銀と、それを教える藤原のシーンでは、早坂の性別を勘違いしているアンジャッシュ状態でめっちゃ笑いました。その後に、白銀による前衛芸術ラップ描写で腹がよじれるほど笑ってしまった。この回に限らず、会長と藤原の特訓シリーズが好きですね。後はラーメン四天王の復活とかで涙。

©赤坂アカ集英社かぐや様は告らせたい製作委員会
ラップ回

 

映画も見に行かないとなーと思いながら、まだ見に行けていません。クリスマスとかに行くとカップルだらけで死ぬかなと思ったので、ほとぼりが冷めたら行ってきます。

 

6.処刑少女の生きる道(バージンロード)

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アーシュナ・グリザリカ

©佐藤真登・SBクリエイティブ/処刑少女製作委員会

『処刑少女の生きる道(バージンロード)』は、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』以来の、GA文庫大賞の大賞作品。今のところ、GA文庫大賞で大賞を取ったのはこの2作品しかありません。アニメもめっちゃ力入ってましたね!

というか、ダンまち4期も夏にやっていたので(しかも2023冬との分割2クール)、放送前からめちゃくちゃ宣伝とかに力入ってた印象です。ダンまち4期もダンまちシリーズ過去最高クラスに出来が良くて大変面白いのですが、流石に4期ともなると中々勧めるのが大変ですね……。

©大森藤ノSBクリエイティブ/ダンまち4製作委員会

 

処刑少女のあらすじとしては、異世界からの転移者(迷い人)は世界の理を脅かすほどの力(作中では「純粋概念」と呼ばれる)を持ってしまうことから、異世界人を処刑する処刑人のメノウ。無自覚のまま時間を巻き戻す純粋概念を使ってしまう異世界人のアカリ。

メノウがアカリの時間遡行能力を解決したうえでなんとか処刑しようと一緒に旅をする物語、となっています。

©佐藤真登・SBクリエイティブ/処刑少女製作委員会
金髪がメノウ、黒髪がアカリ

大賞受賞作品だけあって世界観や物語の出来が正統派に強かった。1話は昨今の異世界転移俺TUEEEものか?と見せかけて、無個性(ダブルミーニング)主人公っぽい異世界人が出てきますが、それを処刑するメノウの方が主人公、という異世界転生/転移作品アンチテーゼ感のある始まりでした。

漢字で表記される魔法の描写がかっこいいし、これも無理なく世界観設定で説明されている辺りがとっても良かった。

©佐藤真登・SBクリエイティブ/処刑少女製作委員会

男キャラはほぼほぼ出てこないことや、アカリからのメノウへの矢印が強く、百合好きオタクも食いついていた印象です。

 

アーシュナ姫はアカリを召喚したグリザリカ王国の姫騎士。実際には騎士というわけではなさそうで、鍛えた肉体で単身世界を巡り世直しをする(単に戦いたいだけ?)姿からつけられた通称が「姫騎士」らしいです。

強くてかっこいい女性キャラクターとか、姫騎士とかが好きなんですよね。あと戦闘狂(バトルジャンキー)キャラも結構好きなのでアーシュナ姫はドンピシャって感じでした。

©佐藤真登・SBクリエイティブ/処刑少女製作委員会

 

人気的にも終わり方的にも、2期があるのではないかなあと思っているのですが、中々情報がありません。ラノベ原作アニメは2期が珍しいのですが、ここ数年は結構やっているイメージだったんですよね……。この作品もそうなってくれたらよいのですが……。

 

7.可愛いだけじゃない式守さん

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式守さん

©真木蛍五・講談社/式守さん製作委員会

2022の春アニメはラブコメが非常に多かったです。既に挙げているかぐや様3期以外にも、『古見さんはコミュ症です。第2期』、『理系が恋に落ちたので証明してみた。r=1-sinθ』、『恋は世界征服のあとで』などなどもありましたが……その中で個人的に最も魅力的なヒロインは式守さんに輝きました。

 

内容は、非常に運が悪い主人公の和泉くんと、「可愛いだけじゃなく」かっこいい式守さんの青春ラブコメ

運が悪い和泉くんが、こけたり風で飛んできたものにぶつかりそうになったりするのを、イケメンの式守さんがカバーしていく、という感じで、世間で言われる男女とは役割が逆転して、守ってもらう和泉君と守る式守さんという感じ。OP主題歌も「なんか僕よりも彼氏みたい」で始まりますしね。(というか、こんなに作品そのまんまの主題歌って最近だと珍しいような気がします)

©真木蛍五・講談社/式守さん製作委員会
手前が和泉君

上で上げた他作品のように付き合うまでのラブコメとは異なり、1話時点でもう二人は交際しているので、ただただイチャイチャしていてめちゃくちゃ甘いラブコメでした。恋敵によって関係に危機が訪れたりもしませんし、両想いで周りからも認められているのが甘すぎる。砂糖吐くよ。

 

毎回毎回二人の初々しさ爆発の甘々ラブコメを楽しんで視聴できました。文化祭でのカップルナンバーイベントとかいう陰キャ絶対殺すイベント、企画した奴リア充以外の何物でもないだろ、とか、ハート形ネックレスをプレゼントして、「それはかぐや様ではダサいって言われていた奴!」ってなったりとか……。

 

単なる作品のクオリティだけなら、かぐや様とか古見さんとかの方が上だったとは思うのですが、最終回で「式守さん、可愛いな……」ってなってしまったので俺の負け。

©真木蛍五・講談社/式守さん製作委員会

式守さんを担当されていた大西沙織さんは、以前から人気声優ではありましたが、今年はかなり例年よりもたくさん出演されていた印象でした。主演キャラも冬アニメの『殺し愛』のシャトー、秋アニメの『夫婦以上、恋人未満』の渡辺星(わたなべ あかり)だったり、サブキャラでも冬アニメの『ありふれた職業で世界最強2nd Season』のカオリ、夏アニメ『Engage Kiss』の蜂須賀凛花(はちすか リンファ)など……。毎クールどこかしらで聞いていましたね。

©2022 Yuki Kanamaru/青瞬学院
『夫婦以上、恋人未満』の渡辺星

英梨々ンゴ、立派になったな……。

 

8.勇者、辞めます

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シュティー

©2022 クオンタム・天野英/KADOKAWA/「勇者、辞めます」製作委員会

ファンタジア文庫原作の『勇者、辞めます』からは、魔王軍幹部のシュティーナ。

魔王軍を退けた勇者レオだったが、その強すぎる力から聖都を追放されてしまい、行く当てがなくなったので人材不足の魔王軍に就職し魔王軍の諸問題を解決していく、というような内容。

©2022 クオンタム・天野英/KADOKAWA/「勇者、辞めます」製作委員会
左がレオ、他3人はシュティーナ以外の四天王

一見俺TUEEE系追放ものに見えるのですが、むしろ魔王軍側の様々な問題(人材不足、資金不足、物資不足)をコンサルさながらに解決していく内容(追放ものお約束の追放した側が、あとから追放した者の異常な有能さに気づく、みたいな展開もないし)で、サブタイも「明日の自分が楽になる仕事をしろ」「仕事を辞めたくなったら一度相談しろ」とかお仕事もののような雰囲気でした……7話までは。

©2022 クオンタム・天野英/KADOKAWA/「勇者、辞めます」製作委員会

 

8話からは、それまで伏せられていたレオの過去が明かされていき、本当の意味での「勇者、辞めます」に込められた意味が明らかになっていく展開となりました。

この、一見追放もの→実はお仕事もの→さらに実は……という物語の組み方が見ていて面白かった。レオ、とかいうよくありそうな名前にもちゃんと意味があったりしてはえ~という感じ。

 

シュティーナは魔王軍四天王のサキュバス魔導士。レオには、アンチ魔法をかけられて何もできないまま負けてしまった過去がありつつも、レオが優秀であり自分たちの助けになる、ということを最初に理解して採用してくれた人でもあります。CVは伊藤静さん。人材不足の魔王軍において、他の幹部は脳筋とかコミュ障のため、懸案事項はほとんどこの人が担当させられているという苦労人。

©2022 クオンタム・天野英/KADOKAWA/「勇者、辞めます」製作委員会

金髪巨乳キャラは好きですが、個人的に眼鏡キャラはあまり好きにならないことが多く、珍しく好きになった眼鏡キャラでした。CVが良かったのかなって。一応サキュバスらしいですが、公式サイトの設定を見るまで忘れていたくらいサキュバス感はないですね……。

 

9.Shenmue -the Animation-

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紅秀瑛(桃李少)

©SEGA / Shenmue Project

Shenmueシェンムー)は1999年にSEGAが発売したゲームソフトで、オープンワールドゲームの元祖とも呼ばれるシリーズ。ただし未完らしいです。ゲームは未プレイのため、純粋にアニメだけ見た感想になります。

SEGAの(開発費が)伝説的なゲームということでそこそこ有名な本作。別にSEGA信者でもなく、当時のゲームをたくさん遊んでいたわけでもない自分でもこの作品名は知っていました。

2022年は、秋クールに『聖剣伝説 Legend of Mana』のアニメ化もされており、懐かしいゲームのアニメ化が複数ありましたね聖剣伝説の方はゲームもプレイした上での視聴でしたが……まあOPとか音楽、雰囲気とかの再現度は良かったかな……と思っています)

© SQUARE ENIX / サボテン君観察組合
聖剣伝説LoM 左が主人公のシャイロ 右が真珠姫

 

作中は1986年の日本、香港あたりというゲーム発売の時代を感じる世界観。実家の道場で鍛えられていた主人公の巴月涼(はづき りょう)だったが、ある日師範代でもある父親が謎の中国人により殺されてしまって……というところから始まる物語。

この殺した中国人の蘭帝(らんてい)を探すべく、日本で手掛かりを探して香港に渡り、そこでも蘭帝に会うため修行を積んだり……という話。

香港での4つの武徳を手に入れよ、とかの修行はまさしくゲームだこれ!と感じる内容で、個人的には結構好きでした。まあまんまゲームじゃんってなる人もいるのかもしれませんが……。

©SEGA / Shenmue Project
武徳の1つを手に入れたシーン

 

結局1クールアニメの範囲では、蘭帝に会うことはできてもあっさり負けてしまって、このままではダメだと別の手掛かりを探すようなまま終わってしまいましたので、続編を待ちたいところ。

 

紅秀瑛(こう しゅうえい)(僧名:桃李少(とう りしょう))は、香港で涼に武徳を探せ、と伝える人物です。美人ですがめっちゃ強いので、本当にこの人が?となっていた涼では手も足も出ませんでした。涼に八極拳の技の一つ、外門頂肘を教えてくれるイベントとかもあったり。(外門頂肘と聞いたらネギま!を思い出すオタク。たぶんシェンムーの方が作品の発表は先かな)

 

時代やら内容からあまり期待はしていなかったのですが、秀瑛以外にも、涼の幼馴染の原崎望(はらさき のぞみ)、香港で涼を助けてくれるジョイなど、ヒロインらしきキャラクターがそこそこ出てきて驚きました。ただ、望はEDでメインヒロインのようになっているのに、香港に渡ってからは全く出番がなくなってしまって……。(どうやら、原作ゲームは日本編がⅠ、香港編がⅡということのようですが……。)

©SEGA / Shenmue Project
EDの望

長らく開発中止となっていたⅢが数年前に発売されたのですが、まだ物語はゲームでも終わっていないようです。シェンムーⅣが出る日は来るのでしょうか……。

 

10.ドラゴンクエスト ダイの大冒険

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レオナ

©三条陸稲田浩司集英社ダイの大冒険製作委員会・テレビ東京
©SQUARE ENIX CO., LTD.

原作は国民的RPGドラゴンクエストシリーズの世界観や設定をもとにした漫画作品で、週刊少年ジャンプにて1989年から1996年に連載。

無人島でモンスターと共に過ごしていた主人公のダイだったが、魔王ハドラーの復活によってモンスターたちが暴れ出してしまう。パプニカ王国から遣わされた勇者の家庭教師アバンのもと、修行を積み魔王ハドラーやその配下たち、そしてその先の更に強大な大魔王に挑んでいく物語。

©三条陸稲田浩司集英社ダイの大冒険製作委員会・テレビ東京
©SQUARE ENIX CO., LTD.
ナイフを持っているのがダイ、止めているのがハドラー

20年ほど前に1度アニメ化をしていたのですが、途中で放送が終わってしまったということもあり、リメイクされたものになります。原作ファンからも前作アニメファンからも評価が高く、2020年から100話(総集編が1話)かけて息切れすることなく原作をすべて描き切ったのは大変好評価

ドラゴンクエストシリーズをしていなくても全く問題はなく(そもそも呪文と雑魚モンスターくらいしか用いられていないので)、友情・努力・勝利の正統派ジャンプ作品らしい内容となっています。実際、放送時間も朝でしたし……。

 

ドラクエシリーズがとても好きなので、これまで『ダイの大冒険』の話は何度も見聞きしていたのですが、今回素晴らしいリメイク作品を見ることができてとても嬉しいです。「アバンストラッシュ!」とか「メドローア!」等、元のドラクエシリーズにはない作品オリジナルの技や呪文も、全く違和感なく描かれていて、ドラクエの名前は冠していて確かに呪文とかは一致するけども、これはあくまでダイの大冒険という作品なんだ、というのが感じられました。

©三条陸稲田浩司集英社ダイの大冒険製作委員会・テレビ東京
©SQUARE ENIX CO., LTD.

原作を読んでいるわけではないのですが、激熱な展開がずっと続く面白さがありました。強力な敵を倒す→より強い敵が出てくる、を繰り返すだけといえばだけなのですが、その王道展開がむしろ逆に新鮮に映りました。

お互いの力量を認めて一種の信頼関係がある敵同士、正々堂々と戦うシーンなどは、最近のスタイリッシュな作品とは異なる泥臭い良さがあるよなあ……と。

 

レオナは、パプニカ王国のお姫様。物語中盤は、他の仲間のポップやマァムがメインで、レオナは一緒に旅をしない関係上影が薄かったのですが、後半になるとダイたちと一緒に敵に立ち向かっていくことになります。CVは早見沙織

©三条陸稲田浩司集英社ダイの大冒険製作委員会・テレビ東京
©SQUARE ENIX CO., LTD.
左から、レオナ、ヒュンケル、ダイ、ポップ、マァム

お姫様ですが、言いたいことは結構ズバズバ言うお転婆タイプの姫。一方で姫としての覚悟もしっかりと持っていたり、回復魔法が使えたりもする。作中後にダイと結ばれてほしいな……。

ただ、ダイの相棒といえば、やっぱりポップでした。以前からこの作品の裏の主人公はポップである、とは聞いていましたが、この作品を見てポップを好きにならない人はいないでしょ……。100話かけて成長されたら認めざるを得ないですね……。

 

11.シャインポスト

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聖舞理王

©Konami Digital Entertainment,Straight Edge Inc./シャインポスト製作委員会

アイドルアニメからはシャインポストの「聖なる舞を見せる理の王者!」こと、聖舞理王(せいぶ りお)様。

嘘をつく人物が輝いて見えるという特殊能力を持った日生直輝(ひなせ なおき)が、全く売れていない地下アイドルグループ「TiNgS」のマネージャーとなり、結成1周年ライブで中野サンプラザを満員にする目標に向けて奮闘する話。

あくまで主人公は、TiNgSメンバーの青天国春(なばため はる)、玉城杏夏(たまき きょうか)、そして聖舞理王で、彼女たちの悩みを日生マネージャーが手助けしていく、という感じ。

©Konami Digital Entertainment,Straight Edge Inc./シャインポスト製作委員会
TiNgSメンバー。左から、理王、杏夏、春

 

この作品、夏アニメなんですけど、実は放送延期が何度も発生して最終回が10月の後半までかかってしまった作品でした。ある意味その点は失敗と言えなくもないのですが、延期した分、内容のクオリティはめちゃくちゃ高いです。3Dと手描き作画を絶妙に使い分けたハイクオリティなライブシーンを一度見てほしい。画像だと伝わらないので……。

 

少し前までアイドルアニメは飽和気味だったように思うのですが、今年はラブライブシリーズを除くとかなり減ってしまった印象です。まあアイドル戦国時代において生き残るのは容易ではなく、どんどんクオリティの高いライブシーンが増えていくので……。ただ、この作品のライブはラブライブシリーズなどの有名作品にも負けていなかったと思います。

 

ライブ以外でも、「嘘をつくと光って見える」という設定が活かされた演出があったり、単にキャラ同士の天丼的掛け合いが面白かったり、春にクソデカ感情を向けるやべー女が出てきたりと、かなり楽しんで視聴できました。

©Konami Digital Entertainment,Straight Edge Inc./シャインポスト製作委員会
迫真のSpringパーカー

 

ただ、やっぱり一番は6話の理王回ですね。春の天才性が現れる1,2話、杏夏の対応力が活かされる3,4話を経て、自信満々には振舞っているけどその実全く自信のない理王様が覚醒する6話ライブシーン、理王が歌う『Yellow Rose』でボロ泣き不可避。キャストの意味がよくわかりました。

ということで、とりあえず6話までは見てほしいです。

©Konami Digital Entertainment,Straight Edge Inc./シャインポスト製作委員会

 

12.Engage Kiss

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夕桐アヤノ

©BCE/Project Engage

どこの国にも属さない太平洋のメガフロート型都市「ベイロンシティ」では、悪魔による災害が頻発。これを退治するPMC(民間軍事会社)の零細企業の代表を務める緒方シュウが、悪魔でありながら美少女の姿をしているキサラと契約し、悪魔退治の先に、自分の家族の真実を探す……というようなお話。

©BCE/Project Engage
左からキサラ、シュウ

脚本は『冴えない彼女の育てかた』の丸戸さんで、キャラデザは『デート・ア・ライブ』のつなこさん、というラノベファンにはたまらない組み合わせのアニメオリジナル作品でした。現在はソシャゲ『Engaeg Kill』が展開中(事前登録受付中)という感じ。

 

主人公のシュウは電気代とか携帯料金をヒロインたちに肩代わりしてもらって、自分はパチンコに行ってしまうようなクズ。しかしながら、それを惚れた弱みで文句言いながらも面倒を見てしまうヒロインたち、というダメな男女を描かせたらやっぱり天才の丸戸先生という感じ。三角(多角)関係ラブコメを描かせたら、なんでこんなに面白いんや。なんでこんなクズ男がモテるんだよとは思うけど、まあこれはモテるわな、と一定の理解を示さざるを得ないキャラ造形がホンマ丸戸許せねえな、新作待ってるよという感じになりました。

 

丸戸先生の描く多角関係は、冴えカノもそうですが、ヒロイン同士が主人公を巡っていがみ合いながらもなんだかんだで深いところでは認め合ってて仲が良い、という関係になっていて、「ちょっとだけ優しい世界」なんですよね。これ主人公いなかったらヒロイン同士は親友になれたよな、みたいな。そこが本当に好きなんですよね。

©BCE/Project Engage

 

ヒロイン同士の話ばかりになってしまいましたが、本筋は結構シリアスな内容で、記憶を代償にキサラと契約を続けるシュウが何のために悪魔退治をしているのか徐々にわからなくなっていく展開とか、その姿に思い悩むキサラが描かれたりとか、終盤の伏線回収やら最終決戦前のキサラの掌の演出とか、脚本とかシリーズ構成で、今年トップクラスの出来といっても良かったです。

©BCE/Project Engage

 

夕桐アヤノさんはシュウの元カノ()で、大手PMCに所属しています(シュウも元は同じ会社の所属)。今もシュウのことが好きで未練たらたらなので、シュウにいいように使われてしまっている感じ(言い方悪すぎる)。こういう報われなさそうなヒロインがワンチャン報われるのが好きなんですよね。しかし、丸戸先生はこういうロングで巨乳なキャラを元カノとかに持ってきがちですねえ……(『世界で一番NGな恋』を思い出しながら)。

でも水色のスーツは流石にド派手すぎないですか……?

 

13.メイドインアビス 烈日の黄金郷

miabyss.com

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0B5NTNK5J/

dアニメストアではレンタル作品なのでAmazon Primeを張っておきます。

ヴエコ

©つくしあきひと竹書房メイドインアビス「烈日の黄金郷」製作委員会

原作が度し難く作者はもっと度し難いと噂の『メイドインアビス』の2期からは、ヴエコさん。

1期が2017年の夏なので、5年も経っています。しかしながら、夏アニメでは同じく1期が2017年夏の『ようこそ実力至上主義の教室へ』も2期がやっていたり。まあメイドインアビスは間に劇場版もあったのですが……。しかし2017年が5年前か……。

©衣笠彰梧KADOKAWA刊/ようこそ実力至上主義の教室へ2製作委員会

 

ざっくりしたあらすじとしては、世界に残された秘境の大穴『アビス』の深淵を巡る探窟家のリコが、ロボットのレグ、呪いで獣のような姿となったナナチの3人で、アビスの深淵を巡る旅を続ける、という感じ。

1期の後の劇場版が2020年の冬ごろに上映されていて、今期はその後の物語になります。

 

アビスの中では、複雑怪奇な生物が弱肉強食の様相となっていますが、未知へのあこがれからこの危険な世界の冒険を楽しむリコたち、という物語です。アビス内部の生物の独特な生態や、今回大量に出てきた「成れ果て」のキャラデザなど、他の作品では見られない独特の作風をしっかりとアニメ映像にしていた印象です。

©つくしあきひと竹書房メイドインアビス「烈日の黄金郷」製作委員会
「成れ果て」たちが住む成れ果て村

 

今期の内容では、リコたちよりも遥か先にアビスに挑戦した探検隊のガンジャ隊(ヴエコもその一員)が成れ果てとなった経緯なども描かれていて、「何食ったらこんな地獄みたいな設定や展開を考えられるの……?」という感想を持ちました。つくし卿*1さあ……。

©つくしあきひと竹書房メイドインアビス「烈日の黄金郷」製作委員会
ガンジャ隊隊長ワズキャンの澄み切った目

ヴエコはガンジャ隊で唯一、成れ果てにならずに生き残っている娘ですが、この娘もハードな幼少期を過ごしていて、その辺が描かれる1話から、相変わらず度し難い作品だあ……という気持ちになりました。

上記の成れ果てになっていく経緯の部分も、辛いとかそういう感情よりも、ええ……?という引きの感情が先に出てきましたよ。普段こういう厳しい展開では、「やめてくれその展開は俺に効く」って辛くなるのですが、想像を超えているせいで辛いという印象があんまりない新感覚でした。

ただ、作品のクオリティは1期から変わらずとても高くて、OPが映画とまではいかないまでもかなり力の入った映像になっています。ガンジャ隊とリコたちが入れ替わる演出好き。グロ描写が大丈夫なら見て損はしないかと思います。

 

14.継母の連れ子が元カノだった

tsurekano-anime.com

animestore.docomo.ne.jp

※dアニメもAmazonPrimeもレンタルしかないです。他も見てみましたが、配信はレンタルしかないみたいですね……。

東頭いさな

© 紙城境介・KADOKAWA/連れカノ製作委員会

タイトルのとおり、片親同士で再婚したら、別れた元カノが連れ子だった、という内容です。主人公は伊理戸水斗(いりど みずと)、元カノは結女(ゆめ)。CVがそれぞれ下野紘さんと日高里菜さんで、コテコテのラブコメラノベというタイトルから繰り出されるコテコテのラブコメラノベ会話が「こういうのが欲しかったんだよ~」という感じに染み渡ります。

© 紙城境介・KADOKAWA/連れカノ製作委員会
水斗と結女

舞台が京都、ということで、学生時代京都で過ごしていた身としては、あーなんかめっちゃ見覚えがある……という風景が結構な頻度で出てきました。もう潰れてしまった四条烏丸マクドナルドとか、京都駅の描写とか……。聖地再現度合いはかなり高かったですね。本当に偶然なのですが、放送1カ月前に京都水族館に行っていたせいで、期せずして先行聖地巡礼をしてしまいました。再現度すごい。

© 紙城境介・KADOKAWA/連れカノ製作委員会
京都水族館の大水槽

元カノと元カレではありますが、結女も水斗もお互いまだ好き同士、でももう義理のきょうだいだし……という感じもありなんとも煮え切らない感じ。だが、そこがいい(のか?)

まあ結女は、水斗のパンツの匂いを嗅ぐとか結構変態っぽい描写もあるのですけどね。(これもう、2019年夏アニメ『可愛ければ変態でも好きになってくれますか?』だろ……と思いましたよ。)

 

東頭(ひがしら)さんは、水斗と読書友達でラノベオタクの巨乳の女の子(CV富田美憂)。オタク同士?ということもあるのか、水斗とは異常な距離の近さで登場したため、結女は心中穏やかでないこととなりました。

最初は水斗のことは友達、と言っていたのですが、本人すら気づいていないうちに好きになっていたことがわかり、なんとあっさりと告白まで行く展開にビックリしました。告白したらラブコメ終わっちゃうよ!

まあ残念ながら、水斗にはフラれてしまうのでこのラブコメは続くのですが……。フラれてからも、もうフラれたんだからむしろ友達として今まで通り普通に接することができる、というフランクすぎるメンタリティでした。

© 紙城境介・KADOKAWA/連れカノ製作委員会
フラれた後なのに、水斗の部屋のベッドでくつろぐ東頭

 

読書家の水斗が作中でも多種多様なラノベを読んでいるので、その辺を見るのも面白かったです。「昔のラノベ」に『涼宮ハルヒの憂鬱』があるのが時の流れを感じますが、1巻発行が2003年、アニメ1期が2006年で、確かに今の高校生からしたら生まれる前の作品ですね……

 

15.ぼっち・ざ・ろっく!

bocchi.rocks

後藤ひとり(ミジンコ)(ぼっち)(プランクトン後藤)

©はまじあき/芳文社アニプレックス

秋アニメからは、漫画タイムきらら原作のいわゆる、きらら作品「ぼっち・ざ・ろっく!」の主人公。()内は作品内で呼ばれるもの。ミジンコはクレジット表記までされている。

 

生まれてこの方友達ができたことのない主人公、後藤ひとり(ごとう ひとり)(通称:ぼっち)は陰キャでもヒーローになれると信じてひたすら練習した結果、ギターだけは大変上達したところ、偶然にも急遽ギターが必要だった伊地知虹夏(いちじ にじか)のバンド「結束バンド」に誘われて、コミュ障ながらもバンドをしていく、という物語。

 

ぼざろ、めっちゃくちゃ面白かったです。秋アニメは毎週これを楽しみにしていました。原作全部買っちゃったよ。でも友人に言われた「ギターのできないぼっちちゃん」呼ばわりはあんまりだと思う。

まず、コメディとして、後藤ひとりの陰キャ友達いないネタ+過剰な妄想ネタがコミュ障への理解度が高すぎるのと、それを表現する演出が実写だったり謎クレイアニメだったり、サイケデリック調だったりと、手を変え品を変えて繰り出されるので、1話から毎話笑い転げてました。

©はまじあき/芳文社アニプレックス

コミュ障陰キャぼっち「なのに」自己顕示欲が大きい、のではなくて、コミュ障陰キャぼっち「だから」承認欲求モンスターになってしまうんですよね。一人で妄想する時間が長くなって、しかも身近な事例を知らないから雲の上の事例ばかりを自分に重ねてしまい……地に足のついていない妄想と実際の現実のギャップにより自信を失う……という負の悪循環……。自虐ネタ系統は笑いながら泣いちゃいますよ。

 

一方で、ライブシーンなどは楽曲も含めて作画や演出が素晴らしい出来。

結束バンド名義曲としてOP、ED3種類、劇中歌4種類と、どれもこれも単に曲が良いだけでなく、歌詞を後藤ひとりが担当している、という設定からの理解度が高い……。

更に更に、8話の演奏シーンでは、あえて緊張して下手になっている演奏や歌唱という表現がされるなど、半端ない出来です。

下手に歌う演技であれば、歌が下手設定のキャラでなされることはあるのですが、歌が上手いキャラだけど緊張してちょっと音やリズムがずれてしまう、という演技であったり、演奏そのものがモタついている(けどあからさまな不協和音ではない)という演出方法はほとんど見たことがないものでした。

同じ曲での演出なので、5話と8話を聴き比べたら違いがわかりやすいという構成も上手いですね……。そこからのぼっち覚醒は、見ててめちゃくちゃかっこいいです。

©はまじあき/芳文社アニプレックス
8話覚醒時のぼっち視点ギター演奏描写

 

あと、背景作画もすごいクオリティでした。写真か??ってなることが何度もありましたね……。作中では一瞬しか出ないようなシーンでもすごいクオリティだったのでビビってしまう。制作はどこかなって思ったらCloverWorksさんでした。納得。

©はまじあき/芳文社アニプレックス
キャラに気を取られますが、写真のような背景作画

 

ちなみにですが、僕は「星座になれたら」が一番好きです。

 

16.ヒューマンバグ大学 -不死学部不幸学科-

humanbug-anime.com

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0B6CPQWMN/

dアニメストアにはないのでAmazon Primeのリンクを張っておきます。

根岸千恵

© ケイコンテンツ/「ヒューマンバグ大学」製作委員会

変わり種としてヒューマンバグ大学からは、主人公の婚約者の根岸千恵(ねぎし ちえ)。CVは小倉唯さん。

 

婚約者を惨殺した容疑で死刑囚となった主人公の佐竹博文(さたけ ひろふみ)が死刑執行後も生き残ってしまった話から始まる物語。

見始める前は作画の雰囲気や制作会社もあり『鷹の爪』みたいなギャグ系かなと思ったら、あらすじでもあるように死刑執行前の死刑囚の描写など、結構シリアスな1話でした。

© ケイコンテンツ/「ヒューマンバグ大学」製作委員会

ただ、その後も実際に会った超常現象を佐竹で実演しながら紹介していくような内容かと思ったら、徐々になぜ佐竹が死刑囚となったのか、といったことが明かされていくような物語が展開されていき、一発キャラかと思ったキャラクターも全員結びついていくサスペンス的なシナリオが良かったです。

(といいつつも、単純に世界の不思議な事象について知ることもできるので、そういう意味でも面白かった。)

© ケイコンテンツ/「ヒューマンバグ大学」製作委員会
首に魚が刺さっても死なないこともあるらしい

根岸千恵は元バックパッカーで、旅先で知り合った佐竹と色々あり、その後も付き合いが続いて婚約者となります。しかし、あらすじでもあるように殺されてしまっていて、佐竹の回想回でしか出てこない……のかな……と思っていましたが……。ネタバレになるのでやめておきます。

小倉唯さんといえば、ロリロリしたキャラクターとかあざといキャラクターが多いイメージですが、こういう低い声のキャラクターも結構好きなんですよね。

同じく秋アニメの「夫婦以上、恋人未満」の浜野メイとかも同じ系統の低音小倉唯ボイスでした。

 

作画はアニメというよりは紙芝居のような雰囲気がありますが、こういうアニメは作画に逃げられない分、シナリオ重視で面白いことがあるので、たまには見ておきたい気持ちがありますね。

 

17.恋愛フロップス

loveflops.com

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イリーナ・イリューヒナ

©LOVE FLOPS PARTNERS

漫画原作かと思ってたら、まさかのアニメオリジナル作品。(めっちゃネタバレがあるので、見るつもりの人は見てから読んでほしいです。)

 

主人公の朝(あさひ)は、第1話から個性的な美少女・美女5人とラキスケ的な出会いをしてから学校で再会し、その後全員と同居することになる、というコテコテの展開が爆速テンポで繰り広げられていき、その後も数話は下ネタ馬鹿エロネタが続くため、なるほどこういう何も考えずに見れる系か~って思っていたのですが……。

©LOVE FLOPS PARTNERS
左からイリーナ、カリン、愛生(あおい)、アメリア、モンファ

-ネタバレのためここから反転-

実はこの世界はAIに恋愛感情を学ばせるためのVR世界で、朝はその被験者でした。ヒロイン5人は全員AIであり、現実世界で死別した朝の幼馴染の井澤愛(いざわ あい)の思考をもとに、その父の井澤博士が生み出したものだった、ということが語られます。現実世界ではAIの暴走でインフラに大きな影響が出る中、朝はAIの暴走を止めるため、再度VR世界に戻り、暴走する愛を止める……という展開に。


これまでのバカバカしい展開や設定が、すべて作中現実世界で設定されていたものだった、という説明がなされて一気に腑に落ちました。ヒロインたちの当番回も、アメリア→イリーナ→モンファ→カリン、と回を追うごとに非現実度合いが増していくようになっていて、構成力を感じます。実際6話(カリンの魔法少女回)では、流石にギャグにしてもおかしくね?と思っていて、7話で朝の夢とか仮想世界か?と視聴者側でも気づけるようになっていました。

EDについても、2話は愛生(CV伊藤美来)ソロから始まって話数が増えるごとに当番回キャラが増えていくのも、愛生ではなくて愛からそれぞれが生み出されていたのを演出していたのかもしれません。

 

終盤でAIヒロインたちが自らが消去されるとわかっていても、朝のために身を挺して一人ずついなくなっていく展開は王道。

そして、最終回の朝と愛との会話。愛は、朝に自分のことを忘れて未来を生きてほしい、と伝えるのですが……。朝は、これまで別れていった5人たちとの仮想生活を思いながら、仮に別れが分かっていても一緒に過ごした時間は無駄にならないし、別れを意識して1分1秒でも一緒にいる時間を大事にするべきだったんだ、というようなことを伝えます。

このシーン、話題にならないようなアニメを見ている時間は無駄、と言われがちな自分にとっても深く刺さりました。3カ月ごとのアニメとの別れであっても、だからってアニメを見て楽しんだ時間は無駄にならないと肯定してもらえた気がしてボロ泣き不可避(たぶんそういうことが言いたいのではない)。まあ、そういうのがなくてもこのシーンは泣きました。伊藤美来さんと逢坂良太さんの演技が素晴らしかったです。

各ヒロインごとのルートは普通の話で、最終の真ルートで世界そのものとかの大きな話になるのは、00年代の恋愛ADVの文脈を感じます。

-ここまで反転-

 

イリーナは最初は男だと自己紹介するのですが、実は女というキャラです。どっからどう見ても女の子でありながら男、という男の娘キャラかと思ったので、逆に驚きましたよ。当番回である4話の温泉回は屈指の下ネタギャグ回でめちゃくちゃ笑いました。

©LOVE FLOPS PARTNERS

こういう中盤~終盤とかから本領を出してくる作品は、昨年の『装甲娘戦記』でも思いましたが、いかんせんそれまでの部分で切られてしまって大変悲しい。まあ正直僕も7話までは「駄作というほどではないけど……」と思わなくもなかったので、切る人の気持ちもわからないではないのですが……。

お前がアニメを切ったのではなく、アニメがお前を切ったのだ。

 

18.マブラヴ オルタネイティヴ(2期)

muv-luv-alternative-anime.com

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※この作品はFOD独占配信で、dアニメはレンタルのみです。

神宮寺まりも

Ⓒ aNCHOR / オルタネイティヴ第三計画

原作は2006年に発売された18禁恋愛ADV。これ自体も2003年に発売された『マブラヴ』の続編となっています。恋愛ADVと銘打たれているのですが、『オルタネイティヴ』は恋愛どころではない世界観で、宇宙から来た謎の生命体BETAとの人類の存続をかけた戦争や、2つの世界線を行き来するSF展開が描かれる物語となっています。(原作未プレイのため、一部Wikipedia情報ですが……)

正直、R-18っぽさを感じるのは機体に乗るときのぴっちりしたスーツくらいですかね……。

Ⓒ aNCHOR / オルタネイティヴ第三計画

ゲームの方は主題歌がJAM Projectの『未来への咆哮』となっていたりとかなり有名です。

 

マブラヴ』はアニメ化がされていない(ややこしいのですが、「2期」というのはオルタネイティヴだけの2期で、オルタネイティヴ1期は2021年秋にやっていました。)ので、続編だけアニメ化するという中々見ないメディアミックス展開です。

僕個人としては、作品の名前は知っていても内容は全く知らない状態で本作を見たことになります。そんな僕から見ると、設定やらキャラクターの把握が十分にできていないとは思うのですが、それでも面白かった、と言える出来でした。

 

マブラヴ』ではいわゆる正統派な学園恋愛ラブコメが描かれるそうなのですが、これとは別世界線オルタネイティヴ世界線)では、既に世界の結構な割合をBETAに占領されており、日本も侵攻されてしまっているハードな状況となっています。

原作で描かれているであろう重厚な設定やシナリオをできる限り取捨選択し、限られた尺の中で描きたい部分に注力して時には原作補完も行う、というアニメになっていたように思います。

正直昨年の1期の前半はイベントを淡々とこなしていっているせいで、余韻とかがあまりなく「なんかぎこちなくないか?」という印象。しかし1期後半では、日本国内でクーデターが発生し、BETAと戦うべき現状でありながら人類同士で争わなければいけないことへの苛立ちや悲哀が生々しく描かれており、素直に面白いな、と思えました。

あと、機体戦闘時の動きとかの描写はかなり頑張ってる印象です。(ロボットアニメほとんど見ないのであんまり自信ないんですけどね)

Ⓒ aNCHOR / オルタネイティヴ第三計画

1期のころは面白いところもあるけどなんとも評価しにくい作品だな……という印象でした。

 

2期ではようやくBETAとの戦闘になり、終盤の佐渡島奪還作戦はめちゃくちゃアツい展開で、ここが描きたかったからあの進行スピードだったんだなと納得できました。この戦争を見ることができるなら、前半のあのぎこちなさも目をつぶろうという気持ちになれます。

Ⓒ aNCHOR / オルタネイティヴ第三計画
戦闘中の司令室の様子

 

取り上げた神宮寺まりもさんは『マブラヴ』では主人公たちの教師であり、『オルタネイティヴ』でも主人公たち訓練兵の教官で軍曹の役職を持つ軍人となっています。

厳しくも優しく主人公たちを教え導くキャラクターですが、原作未プレイの僕は1期のときは名前も覚えていませんでした……。が、2期ではもうこの人のこと忘れられないだろ……という衝撃の展開を受けます。

この作品が女の子はちゃんと家まで送れ、と教えてくれました。

 

これまたBETAとの戦いが終結には至っていない状態での2期終了となってしまったので、続編を期待しています。

 

19.不徳のギルド

futoku-no-anime.com

animestore.docomo.ne.jp

トキシッコ・ダナー

©河添太一/SQUARE ENIX・「不徳のギルド」製作委員会

秋アニメ紳士枠の不徳のギルド。

20歳という若さながらギルドのエースである主人公キクルは、ギルドの討伐活動ばかりで青春を送れなかったことを後悔し、ギルドをやめて夢のキャンパスライフを目指す。そのためにギルドに入ってきた新米たちを教育して引継ぎを行おうとするのだが、集まったヒタム・キャン、メイデナ・アンジェ、トキシッコ・ダナー、ハナバタ・ノーキンスは一癖も二癖もあるへっぽこばかりだった……という感じの内容。

©河添太一/SQUARE ENIX・「不徳のギルド」製作委員会
左からメイデナ、ヒタム、ハナバタ、トキシッコ

キャラクターデザインの金子ひらく氏の名前を見て、なるほどなあとなりました。

 

お約束に挟まれるエロハプニングイベントを見て涙が出てきますね。

アニメが世間に受け入れられるようになっていって、非アニメオタクの人からもアニメの話がされるようになってきました。ただ、俺が好きなアニメは他人に見られていることをあんまり知られたくないような作品なんだよなあ……と。

©河添太一/SQUARE ENIX・「不徳のギルド」製作委員会
まだマシな方のシーン

 

そして、こういった作品でありながらも、なんだかんだで7話、8話の戦闘シーンなどは正当に面白くて、「そうそうこういうのだよ、こういうの……面白いけど人には勧められないなあってなる感じの……」って気持ちで見ていました。

深夜アニメなんだから、ちょっと不道徳なぐらいがちょうどよいんだよ!と思っているので、こういう作品が細々とでも続いていってほしいです。

途中からは毎回EDで泣きそうになっていたのですが、最終回のED全員歌唱バージョンでボロ泣きしてしまう。その演出は卑怯じゃないですか……。

 

トキシッコはまさしく7、8話で株が上がりました。大地葉さんは色々なところで出てくるなあ……。

©河添太一/SQUARE ENIX・「不徳のギルド」製作委員会
庇っているのが主人公のキクル

 

あと、この作品はOPのエロゲパロが少し話題になりましたね。(参考動画

いや、元ネタが流石に古すぎだろ……。1983年発売て……。『異世界おじさん』でもOPのレトロゲーム作品パロディが話題になりましたが、これは比較にならないほど難しいらしいです。

製作にスクエニが入ってるのにこんな黒歴史ゲームのパロをよく許したな……。

 

20.Extreme Hearts

exhearts.com

animestore.docomo.ne.jp

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0B5PR1VY9/

葉山陽和

©PROJECT ExH

ありがとうエクハ、円盤買ったよ。2022年で個人的に一番のアニメでした。

ロボットが普通に存在するようになった少し近未来、高校生シンガーソングライターの葉山陽和(はやま ひより)は、デビューしたものの売れることなくアーティスト契約を終了されてしまう。それでも、歌の道を諦められなかった陽和は音楽会社が主催するハイパースポーツ大会「Extreme Hearts」に参加し、勝ち抜くことで与えられるイベントステージで歌を披露することを目指す、という内容のアニメオリジナル作品。

ものすごく簡単にいうと、女子スポーツもの+アイドルもの。

脚本は『魔法少女リリカルなのは』シリーズで有名な都築真紀さんとなっています。

©PROJECT ExH
陽和の結成したRISEの5人

この作品の魅力は、女子スポーツものアニメとアイドルアニメの王道のものとなっていました。

すなわち、いわゆるスポーツものの魅力である、ライバルチームとの決戦や不利な状況からの逆転、手に汗握る試合といったアツい展開

アイドルものの魅力である、楽曲の良さやライブシーンのクオリティ

そして両方に共通する魅力として、キャラクター同士が紡いでいく絆や、物語内でのキャラクターの成長があります。

©PROJECT ExH
かつての対戦相手が解説役になるスポーツものあるある展開

これだけを聞くと、そんなアニメたくさんあるじゃない、と思われる方も多いでしょうし、実際に今回取り上げた『シャインポスト』は後者2つのアイドルアニメの魅力を十分に引き出していました。

ただ、既にシャインポストでも少し触れたように、クオリティの高い作品を生み出すには、予算や人員、時間が十分に必要ですが、全てのアニメ作品がそういった「持っている」作品とはなっておりません(シャインポスト以外にも2022年は放送延期が結構ありましたね……)。

特に、スポーツ描写やライブ描写は、現実でも見ることができる動きをアニメに落とし込む必要があることから手描きでの作画が難しく、最近は(特にアイドルものは)3Dを用いることが増えています。(要出典)

 

この点で言うと、エクハは、事前の宣伝もあまり十分ではなく、放送もTOKYO MXBS11だけで、どちらかといえば「持っていない」アニメでした(実際に予算とかがどうだったか、は一視聴者にはわかりませんが、宣伝や放送局については間違いないところです)。少なくともアニメを見ない人はもちろんのこと、アニメを見る人であっても「そんなアニメやってたの?」とか、「全く聞いたことない……」となる作品で……(涙)。

 

そんな「持っていない」作品でありながらも王道の魅力を描き切ることができたのは、なぜか、というと……。

スポーツものやアイドルものの肝となる試合やライブを毎回すべて描き続ける体力がないからこそ、作画のメリハリを行って、必要なところはしっかりとリソースを注ぎ、そうでない部分は音や場面転換での演出で工夫して魅せる、というリソース管理がとてもよくできていた作品だったからだと思います。

実際に、11話の試合(個人的にこの試合は、これまで見てきた女子スポーツものアニメで最高の試合でした)も、よく見るとそんなに作画は多くないんですよね。

それでも、ボールの音と映像の切り替えで作画を増やさずに動いている様子を感じさせたり、キャラやボールなど一部のみを動かすことで、作画枚数は増やさずともスピード感を表現したり、といった工夫が見られました。

©PROJECT ExH

また、12話のライブシーンも、これまであまりライブシーンがない中、1話内で3曲もライブを入れていましたが、場面転換や引きのシーン等では3Dを使い、アップの映像では力の入った手描き作画を駆使するなど、違和感のない範囲での映像の組み立てがされていました。

©PROJECT ExH
スポットの光で影を見せることで3Dの違和感を軽減しながら動きを見せる表現

 

 

加えて、キャラクター同士の関係の掘り下げとしてショートアニメ(これはアニメか?)のS×S×S(ショートサイドストーリー)を別に配信していました。

この0話を本編1話の前に見たときは、こんなにハマるとは思わなかったですね……。

www.youtube.com

 

1話やSSS0話放送/配信当初はイロモノか?と思われていた中で、王道の魅力を引き出すための工夫が随所にあり、感動させられる物語になっていました。最終回のライブは"あの"演出もあり、ボロボロに泣いてしまいます。

 

RISE*2のブログが毎週更新されるなど、放送中の夏クール3カ月間はRISEのメンバーと一緒に過ごすことができました。

「またね!」で終わったので、2期決定のニュースを期待しています。

©PROJECT ExH
次回予告で使われるSD絵も可愛い

終わりに

2022年も長いようで短い1年で、でもアニメを振り返るとやっぱり結構長かったような気がします。2021年の秋アニメは確かに1年くらい前だな……という気持ちになるので。

今年は取り上げた作品はなかったのですが相変わらず異世界転生・転移作品は多いですね。概ね見ているのですが、ピンキリという感じで……続編も積極的に作成されている印象です。他のジャンルの作品もこれくらい2期やってくれないかな……。

 

個人的には夏が一番楽しめました。取り上げた5作品以外にも、『リコリス・リコイル』、『シャドーハウス2期』、『邪神ちゃん3期』、『ルミナスウィッチーズ』、『よう実2期』、『ダンまち4期』、『よふかしのうた』……と。

土曜日夜にリコリコ→エンキス→エクハをリアタイする最高の週末でした。

 

2023年の冬アニメ、早くチェックしなきゃ……。

*1:漫画家・つくしあきひと先生の愛称

*2:陽和が結成したExtreme Heartsの登録チーム名