ChatGPTと石鹸枠について議論した。
議論を通じて、石鹸枠への理解を深めると同時に、今後の石鹸枠研究に生かせないかを検討する。
1日目
まずはChatGPTがどの程度石鹸枠を知っているのかを聞いてみる。
流石にノーヒントではアニメにたどり着くこともできない可能性があるので、ヒントらしきものも合わせて伝えてみた。
……あまりにも的外れなことを言っている。さすがにこれは看過できない……。
うーん全くダメだな……。
石鹸枠の名前の由来部分については、確かに勘違いしている人もいなくはない。ここは流石に教えてあげないと無理か。
教えた由来部分はともかく、それ以外はダメすぎるな。
自分で気づいてくれないかな……。
正解したらとりあえず褒めてみる。
ちなみに、『星刻の竜騎士』は2014春アニメである。残念ながら公式サイトは消されてしまったようで見つからないので、dアニメのリンクだけ。
たしかに石鹸枠の定義は確立されていないが、だからといってこんな明らかに間違ったことを吹聴されては困る。
ただ、時期についてはこちらのミスリードもあったかもしれない。実際に『IS』など紀元前石鹸枠の研究もなくはない。
(なお、筆者は2014春アニメである『星刻の竜騎士』以降にしか石鹸枠が存在しない立場をとっている。)
ここで示している記事はニコニコ大百科の「石鹸枠」の項目である。(これが一番詳しい。)
記事を示すもののあまり内容を読んでくれていないようだ。
試しにこのブログの過去の記事の要約をお願いしたが、てんで的外れになっていたので記事参照は上手く作動しないようだ。自力で学んでもらうのは諦めるか。
「一般視聴者向けではない」と言い切られてしまうと少し悲しいが、まあこれは事実なので甘んじて受け入れよう。
具体的な作品を教えればその特徴を導き出せるかもしれない。とりあえずたくさん例を与えよう。
おお! ここまでで一番良い回答。
「アクションやバトル、ハーレム要素などを含んだ作品」というのを理解できるのはすごい。
嬉しくなって聞いてしまったが、素晴らしい理解だ。
実際に石鹸枠で評価が高いのは『落第騎士の英雄譚』がトップだと思われる。2期やってくれ。
こうなれば少し高度なことも可能かもしれない。
うーん。ちょっと違うが、まあ着眼点は悪くない。
これは、「紳士枠が石鹸枠足りえるか」という内容であり、結論としては紳士枠の場合は石鹸枠には当たらなくなる。
ちなみに、新妹魔王の契約者は2期や劇場版までやった人気作品(?)
ChatGPTの言うとおり、「エロティックな描写」が多いので視聴は注意されたい。
公式サイトでいきなりまろび出たりはしていないのでそこは安心して良い。
余談も余談だが、2015冬に放送された以下4作品はラノベ四天王と呼ばれていた。ラノベ四天王は4作品を指すが、石鹸枠に含まれるのは契約者を除く3作品である。
OK、OK
こちらの話した内容を適度にまとめることはできるようだ。
1に記載のように、過激な表現が多く含まれる紳士枠は石鹸枠になりえない。
ではもう一つ、紳士枠で石鹸枠にならなかった作品を聞いてみよう。
いやいやいや……。突っ込みどころが多いな……。
『魔装学園H×H』はハーレム要素も学園要素も十分存在する作品だ。
『魔装学園H×H』は、主人公が仲間の女キャラクターを性的に興奮させることで、女キャラクターの力を引き出して、敵と戦う手助けをする。
その点は『新妹魔王の契約者』とあまり変わらない。そういう意味で、他の石鹸枠作品よりも恋愛要素が弱い(恋愛要素ではなくエロ要素が多いため)と言えなくもない。
一方で『魔装学園H×H』は特殊な能力を育てる学園が舞台である。『新妹魔王の契約者』とは異なり、その点をクリアしてもなお石鹸枠と認められなかったため、紳士枠が石鹸枠にならないことを確定させた作品となっている。
石鹸枠研究において欠かせないのだが……。
この後、戦闘要素:ファンタジー要素:恋愛要素の比率をどのように考えているか聞いたりもしたが、あまり益のない会話になった。
彼(ChatGPT)の結論では、
『魔装学園H×H』は、戦闘:ファンタジー:恋愛は6:3:1に、
『星刻の竜騎士』は、戦闘:ファンタジー:恋愛は6:3:1となるらしい。
正気の沙汰ではない。性行為(およびそれに準ずる行為)も戦闘と考えているのかもしれない。
あまりにもひどい結果である。挙げられた12作品のファンの方には謝らなければならない。
とはいえ、特徴の方はかなり良くなったようにも思うので、もう少し進めよう。
2日目
1日経ったらリセットされるのか??? さすがに怒られる。
特徴はかなり良くなった。さっきの回答は寝ぼけていたのかもしれない。
かなり近づいてきた。
代表作品は微妙なところである。実際に特徴と照らし合わせてどう考えているのか聞いてみる。
先ほど挙げてきた作品とは一部別の作品になっているが、どれも石鹸枠とはされていない。筆者が不勉強のため、『ストライク・ザ・ブラッド』を見ていないのでそこはわからないが、石鹸枠議論の中では出てこない作品だ。
大事なことなので2回伝えたが、これでより強く学習してくれるか……。
学園要素も石鹸枠には基本的に必須とされている。これも何度も伝えているつもりだが、必須とか必ずとかは、少し緩やかに修正されてしまうのかもしれない。
これを最初に言っておけば良かったのかもしれない。とりあえずこの前提に基づいて議論をしていきたい。
今回提示されている5つの特徴は大きく外れていないように思う。1や2は少し疑問だが……。
これ以外に特徴がないか提示してみよう。
中々良い意見が返ってきた。
さて、異世界転生/転移作品が石鹸枠になるかどうかについては議論の余地がある。
これまで異世界転生+学園ものとなった作品が実はあまりない。上に挙げた2019年春の『賢者の孫』は学園に通うものの、学園自体はそれ程メインではない。
なお、女性向けであれば『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった……』も学園に通うが、これは明らかにハーレム作品ではないので(逆ハーレムではある?)除外している。
2023冬の『最強陰陽師の異世界転生記』でも学園に通う描写があるが石鹸枠とは考えられていない。
異世界転生作品は学園に通うことになっても、そこをメインの舞台としないものがほとんどで、一時的に通うものの卒業して冒険者等になってしまうことが多い。
また、石鹸枠の1話はおおむね学園入学時点から始まるか、既に入学している状態で学園での描写から始まるが、異世界転生作品は異世界に転生/転移する場面から始まり、学園に通うのはもう少し先の話数になる傾向にあるため、石鹼枠認定期間なるものがあり、それを過ぎてしまうのかもしれない。
また、異世界転生作品の元になることが多い「小説家になろう」では、当然口絵や挿絵が存在しないため、ライトノベルにありがちな肌色の多いシーンが必要なくなる。これにより、「簡易なエロティック描写」がないため、石鹸枠として認められにくくなるように考えている。
なお、単なる転生作品であれば2015冬放送の『聖剣使いの禁呪詠唱』は石鹸枠である。主人公は2つの前世を持つ転生作品で、転生要素が石鹸枠性を排除するものではない。
そういう意味では異世界転生であれば即石鹸枠にならないとは、言い切れないようにも感じている。
とりあえず、この辺りは長い議論になりそうなので、ChatGPTとの議論はもう少し大枠にしよう。
褒めると調子に乗るのか、饒舌な回答になるようだ。
これまで筆者は、要素がある/ないのみで石鹸枠か否か結論を出そうとしていたが、あくまでバランスが重要だとするのがChatGPTの意見のようだ。
しかし、要素のバランスや調和となると、石鹸枠の定義はかなり困難になりそうだ。
明日と言ったがすぐにまとめてしまったようだ。ChatGPTは宿題は昼休みに終わらせて帰ってからはしないタイプらしい。
石鹸枠が女性向けのライトノベル作品のジャンルになってしまっていて、どこから学習してきたのかは謎である。
3日目
ここまでだと、具体例を挙げたときは良い回答になっていたように思う。
具体例から石鹸枠の定義を考えるのが石鹸枠学の基本中の基本であることからして、その点はこちらから提示してみよう。
(長い投稿でスクショが一枚で足りず少しずれてしまった)
とりあえず異論はないようだ。とりあえずここまでの議論で出た作品をすべて入れた。
望ましい議論の方針としては、
1.具体的な作品の石鹸枠判定
2.なぜその結論になったか、理由を検討
3.理由から石鹸枠の要素を固めていく
という形になる。(作品→特徴アプロ―チ)
ChatGPTには1と2をさせ、2の理由に反証がないかをこちらから聞いてみる。
とはいえ、1でずっこけると困るので、まずはこちら側で1をした上で2を考えてもらう。
まあまあ悪くない回答だ。『魔法科高校の劣等生』が石鹸枠にならないというのは、大変説明が難しい。
筆者個人の意見としては、石鹼枠にならない理由は、主人公が目の前で困っている女の子を助けてしまうような、お人好しなキャラクターではないことにあると考えている。
ChatGPTは主人公の成長要素など、別の観点から意見をくれた。反論をしてみよう。
ああ言えばこう言うという感じで、中々折れてはくれない。
正直なところ、主人公が技術的にも精神的にも全く成長しないアニメ作品はほとんどない気がする。逆に言えばこれを新しい要件にしても、石鹸枠の定義にほとんど影響はない……。
一部の異世界転生作品のように、神的な存在に与えられた能力のみで無双する作品は排除できるかもしれない。異世界転生俺TUEEE作品でも、全く主人公が成長しない作品はそんなにないと思うが……。
しれっと3にて、主人公の特殊性に言及している。ここまでの議論でそういった話はなかったが、これは石鹸枠においては重要な要素である。
教師が主人公の作品もあるので、「入学する」とされると厳密には誤りでその点はこの後に指摘して修正してもらった。
「学園で弱く、周りから見下されている」も微妙なところだが……。
ジョナサンは最初から強くないし、成長もする。
デレマスも、才能はあるが成長していく過程を描かないなんていったらプロデューサー諸氏に怒られるだろう。
レールガンは、ハーレムにはならないので石鹸枠にはなりえないのだが……。
突っ込みどころが多く指摘を放棄してしまった。
以下、少し無駄な会話が続いたのでカットしている。
作品→特徴アプローチは、人間側(提示側)が適切な例を挙げられないといけない。
試しにChatGPT側に例を挙げる部分もしてもらうことを試したが、有名作品ばかりを取り上げていて少し微妙だった。
特徴は大きく間違ってはいないが、そろそろ学習の限界なのかもしれない。
作品の良い例を挙げられなかったので、今度は逆に、
1.石鹸枠の特徴らしきものを挙げて、石鹸枠の要件かどうかを判定してもらう
2.具体的な石鹸枠の作品を提示する
3.2の作品で実際にどのように要件が満たされているか当てはめをしてもらう
(特徴→作品アプローチ)
1と2をこちらで挙げて、3をChatGPTにお願いする。
先ほど少し出ていたが、石鹸枠においては、主人公が弱いというよりも、主人公は他の学生と比べて特殊(イレギュラー)な能力を持つのが要件とする意見が多い。
まずは、1についてChatGPTはどう考えているのかを確認してみる。
文章のつながりが少しおかしいが、まあイレギュラー性の必要性は理解しているのだろうか……。
逆に「イレギュラー的な要素は不要と考えますか」と聞くと不要と答えてきそうな気もする。
2を挙げて、3をお願いしてみる。
具体的な作品についての情報は石鹸枠程度の作品ではかなり微妙なようだ。使えない。
しかし、最初に挙げられている、桜葉なる主人公の物語は石鹸枠らしいストーリーになっているように思う。ひょっとすると、石鹸枠作品を作成する方がChatGPTには向いているのかもしれない。
作品→特徴アプローチの方が良さそうだ。
含めないという意見自体は構わないが、理由がハチャメチャである。ちなみに筆者は含める側の立場だ。
こちらの意見の理由を聞いてきたのは初めてかもしれない。
自らの誤りを認めて意見を変えることが出来るのは良いことなのかもしれないが、なんとなく「こいつ面倒だな、とりあえず同調しとこう」という感がある。石鹸枠議論にも飽きてきたのかもしれない。
ちなみに、この後いくつか議論をすると、『冰剣の魔術師が世界を統べる』の内容を知らないと言ってきた。知ったかぶりだったようだ。
この他にもいくつかの作品の石鹸枠判定をお願いしたが、ゆゆゆ(結城友奈は勇者である)やアサリリ(アサルトリリィ)などの百合作品を石鹸枠にしようとするなど、教育の難しさを感じた。
具体的な作品の石鹸枠判定は、明らかに含まれていないものならともかく、境界にあるような作品は人間でも難しいので仕方ない。
ちなみにこの日の最後の会話はこうだった。
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