アニメ感想置き場

アニメの感想とか書く

キャラで振り返る2021年アニメ 感想

めっちゃ更新が久しぶりになってしまった。まあコンスタンスに更新するようなブログではない。

2021年も面白いアニメがたくさんありましたので、振り返りたいところ。去年書いた時も思ったけど、やっぱり文章にしておくと後から1年が振り返りやすくなるような、そんな気がします。

2020年は↓ry-adtou.hatenablog.com

 

1.ウマ娘 プリティーダービー Season2

メジロマックイーン

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© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会

2021年のアニメ、ゲームジャンルにおいて、この作品を知らない人はいないというくらいに大ヒット中の競走馬擬人化作品です。

個人的には1期(2018春)のときから、ウマ娘は面白いと言っていたので、2期がコケようがアプリがコケようが、「いやそれでも1期は面白かったから!」と擁護する準備は万端だったのですが、杞憂に終わりました。(アニオリ作品で1期がめっちゃ面白いと2期で期待されたほどじゃないなってなること多いからさ……)

 

そんなウマ娘からは主人公「トウカイテイオー」のライバルとなるメジロマックイーンです。CVは大西沙織さん。

史実では1度(天皇賞春)しか対戦していなかった2人でしたが、アニメではお互いがお互いを認め合い切磋琢磨するライバルとして描かれており、ダブル主人公のようになっていました。2人の対戦は史実と同じ1回のみで、史実の結果を改変するわけでもない内容でしたが、それを高クオリティに作り上げていたのが素晴らしかったです。

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© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会

1期とは異なり2期では史実改変はないにもかかわらず、同時期のミホノブルボンライスシャワー菊花賞ツインターボオールカマーでの大逃げなどをうまく物語として組み込んでおり、史実レースの取捨選択と組み合わせ方がとてもうまかったと思います。

1期で史実改変が一部あったことを布石にして、序盤~中盤は史実通りにするかどうかを読ませなかったのがニクいし、中盤以降はおおよそ展開はわかっていてもクオリティの高さで勝負してきていて、制作陣の本気度がわかります。

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© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会
一人だけ右にいるのがツインターボ

度重なる故障からついに復帰を諦めたトウカイテイオーが、ツインターボの「これが諦めないってことだあああ!」で復活、その後にこちらも引退レベルの故障をしたメジロマックイーンに諦めないことを伝える、というパラレル構造、EDで二人のパートや立ち位置が変わる演出など、構成、演出面でも非常に良い出来だったと思います。

 

あとは、「これいる?」って結構言われてたウイニングライブ。1期のときから僕も「これいるかな……?」と思っていたのですが、最終回のライブ作画はクオリティ高すぎて笑いながら泣いてしまいました。そういえば1期のときも最終回のライブからのうまぴょいの流れで泣きながら混乱して草生やしてたの思い出した。

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© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会

 

アプリはちょっと……という方でもアニメは是非お勧めしたいですね。競馬に全然詳しくない僕でも楽しめたので、その辺の知識はなくても楽しめると思います。

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2.はたらく細胞BLACK

白血球(1196)

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©原田重光・初嘉屋一生・清水茜講談社・CODE BLACK PROJECT

2021の冬は、『はたらく細胞』の2期が放送される中、同時期にスピンオフ(でもないのか?)のはたらく細胞BLACKが放送されていました。こちらは、ほんわかした本編とは異なり、ブラック企業さながらの劣悪体内環境で働く細胞たちの、苦悩と絶望の物語となっています。

 

本編『はたらく細胞』では赤血球の主人公が女性で、白血球は全員(?)男性となっていますが(厳密に性別があるわけではないと思うので見た目や声での判断となります)、こちらでは逆となり、主人公は赤血球の男性、白血球は全員女性(巨乳)となっています。

ブラック企業の社内研修のようなビデオ映像だったり、研修期間でありながら実働に回されたり、酸素を運んだ先でも感謝はされず文句ばかり言われ、不摂生からの度重なる病気に見舞われる劣悪な環境でも、細胞たちはこの体内を生かすために働き続ける、というシナリオは「体を大事にしよう」と思わせてくれる内容でした。

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©原田重光・初嘉屋一生・清水茜講談社・CODE BLACK PROJECT
喫煙による一酸化炭素中毒症状

ブラックな事例として、例えば1話では、

主人公赤血球「この仕事は命を懸けてまですることなんですか!?」

ベテラン赤血球「俺たちはこれ(酸素を運ぶこと)しかできねえんだ! 何も考えるな!」

とかいうセリフがあり、この後にベテラン赤血球は死んでしまいます。本編ではあまりちゃんと描かれない、擬人化された働く細胞たちの死を描いているのも評価。

 

疲れた赤血球たちが肝臓に「抜き」に行ったり、「勃起」回があったり、細菌などによる触手で拘束される白血球のシーンなど、単にブラック企業風刺だけにとどまらず、本編では描けない内容も良かったです。

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©原田重光・初嘉屋一生・清水茜講談社・CODE BLACK PROJECT
肝臓に(アルコールを)「抜き」に来たシーン。

勃起回、主人公赤血球たちがめちゃくちゃ苦労してなんとか射精させて、これで生命が生まれるんですね!って感動しているところ、大概は単なる性欲処理でしかなく無駄な仕事だよって言われてるシーンは大変申し訳なく感じました……。

 

本編『はたらく細胞』を見ていなくても本当に全然問題ないので、あっちは見ていない人も是非見てほしいですね。

個人的に好きというか、びっくりしたのは10話。あと最終回ラスト。

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3.無職転生異世界行ったら本気だす~

シルフィエット

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©理不尽な孫の手/MFブックス/「無職転生」製作委員会

なろう発の異世界転生作品、無職転生からは主人公ルーデウスの幼馴染となるシルフィエット。CVは茅野愛衣さん。

冬と秋という間に2クール挟むタイプの分割2クールでした。アニメ制作会社「スタジオバインド」はこの作品のアニメ化のために組織されたというほどの気合の入りようで、実際に背景美術や魔法、戦闘シーンの作画、演出等はものすごいクオリティでした。

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©理不尽な孫の手/MFブックス/「無職転生」製作委員会

なろう発異世界転生/転移作品は、現代知識やら神に与えられたチート能力やらで無双してハーレムになって~みたいな作品が少なくないのですが、本作の主人公ルーデウスは魔法の素養は天才的ではありますが、転生元が引きこもりニートということもあり、人間的な失敗を何度か繰り返すことになる、という点も描かれました。

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©理不尽な孫の手/MFブックス/「無職転生」製作委員会

力だけ与えられても世界で何も苦労しない、なんでもうまくいく、なんてことはありえないというリアリティがあって良かったと思います。(魔法の能力自体も幼い間に魔導書等を読み漁ったり訓練等の努力をした成果とも言えますし……)

 

シルフィエットは冬の1クール目序盤は出番があったのですが、2クール目ではほとんど出番がなく、最終話の本当の最後にちらっとだけ出てきていたので、2期があれば活躍してくれるのではないかと期待しています。(原作未読組)

ヒロインレース的には、魔法の師匠のロキシーとか、一緒に旅をしたエリスとかがかな~り先に行ってしまっていて、シルフィは報われるんかなあ……という気持ちになっています。

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©理不尽な孫の手/MFブックス/「無職転生」製作委員会
エリス

なろう発の異世界転生/転移作品はどうせテンプレばかりなんでしょ?という方にも見てもらえたらな……と思える作品でした。

 

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4.装甲娘戦記

リコ

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©2020 EXNOA LLC/LEVEL-5/装甲娘戦機製作委員会

装甲娘戦記はDMMのソシャゲが原作となるオリジナルアニメでした(21年の7月にサービス終了)。一応ダンボール戦記というコンテンツが結構昔からあり、その新作みたいな位置づけだと思うのですが、あまり詳しくないのでその辺はスルー。

 

主人公リコは友人とショッピングに来ていたときに、装甲ロボのプラモデル(ガンプラみたいなものって言ったら怒られるかもしれない)を買ったところ突如異世界に転移させられてしまい、装甲娘の小隊の一人として日本全土を侵略しているミメシスと呼ばれる正体不明の生物と戦うことになります。

 

本作品を好きになったのは10話。

この作品、1話からいきなり何も知らない女の子が戦場のど真ん中に転移させられたり、装甲娘や一般兵士が死んでしまったりとハードな世界観が描かれていたのですが、

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©2020 EXNOA LLC/LEVEL-5/装甲娘戦機製作委員会

中盤では、主人公が所属したチームは司令部のようなところから特に指示などを受ける描写はなく、よくわからないまままるで修学旅行のような気分で道中を進んでいくため、「なんかちぐはぐじゃないか?」と思ったり、「そもそもこの娘たちは何を目的にどういう風に行動しているんだろうか?」となったりと、薄っすらとしたもやもやを抱えたまま視聴を続けることになります。

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©2020 EXNOA LLC/LEVEL-5/装甲娘戦機製作委員会

このもやもやがすべて晴らされるのが10話になるのですが……ここまでだと、一般につまらないとか芯がぶれてるとか言われるような作品になっており、僕自身もハードな世界観だったのに、結局美少女数人がキャッキャするだけになってるような……という感想を持っていました。それがある意味で伏線だったのですが、ここまで見てくれる視聴者がどれだけいたのか……。

10話まで見れば、これまで感じていた疑問や違和感が一気に氷解する気持ちよさがあったので、そこまで見ればという気持ちがある一方で、少なくとも9話までは若干つまらない、違和感があると思わせるシナリオになっているのも事実であり、評価が難しいなあと思いました。ちゃんと全話見てくれる視聴者ばかりではないですしね……。

 

あとは結構変身バンクとか頑張ってたなって印象です。まあこの辺はこういう作品のお約束でもありますね。上に書いた部分の衝撃でその辺の感想ほとんど吹き飛んでしまった。

アニメーション制作のstudioA-CATは『超可動ガール1/6』のころからなんとな~く応援していて2020年は『球詠』とかあったのですが、いまいち3Dの進化がですね……。相変わらずリソース少なそうな中頑張って作ってるな~という印象。

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5.ブラッククローバー

メレオレオナ・ヴァーミリオン

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©田畠裕基集英社テレビ東京ブラッククローバー製作委員会

ブラッククローバー』はジャンプで連載されている漫画作品で、アニメはなんと2017年秋から2021年冬までずっとやってました。なので合計で14クールも見たことになります。(ネタで24クールやってほしい、とかいうのあるけど、いつまで続くのかずっと謎だったので、下手したらそれくらいやるのではとビビりながら見ていました。)

この作品を2021年に含めていいのか悩んだのですが、まあ終わったのが2021冬なので、ここで入れとかないと機会がないってことで……。

 

魔法が誰でも使える世界において、生まれつき魔法を持たなかった落ちこぼれのアスタが、魔法を無効化する剣の能力を手に入れて魔法騎士となり、魔法帝になろうと成り上がっていく、という王道ストーリー。

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©田畠裕基集英社テレビ東京ブラッククローバー製作委員会
主人公のアスタ

ジャンプ作品のアニメ化は1,2クールほどやってから、しばらく空白を開けて続きを放送、というのがヒロアカとか『鬼滅の刃』とかでの最近の流行なのかなと思うのですが、この作品は昔ながらというかなんというか、毎週放送を4年ほど続けていました(一部事情により放送がない時期もありましたが)。

 

結果として若干作画が怪しい回があったり、全然話が進まなかったり、ということもあったのですが、劣勢からあきらめずに這い上がっていくアスタたちの物語は面白く、見せ場の戦闘シーンなどでは迫力ある作画で見せてきてくれました。

 

ヒロインもノエルとかミモザとか王道にかわいい子も多いのですが……。紹介したくなったのはメレオレオナさんでした。

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©田畠裕基集英社テレビ東京ブラッククローバー製作委員会
ミモザ

メレオレオナは9つある魔法騎士団のうちの1つ「紅蓮の獅子王団」の団長フエゴレオン・ヴァーミリオンの姉で、実力はそのフエゴレオンにも勝るとも劣らない、という感じ。登場は確か70話くらいだったと思うので、中盤くらいからの出番ですね。(このアニメは全170話くらいある)

登場時からかなりの実力と傲慢さを見せているメレオレオナですが、実際に強化された敵5人と1人でまともに殴り合ったりと、口だけではない実力があり、そこが魅力的。

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©田畠裕基集英社テレビ東京ブラッククローバー製作委員会
右がメレオレオナ

アニメのブラッククローバーは結構中途半端というか、これから最終決戦!というところで終わってしまったので、続編なりがあるとうれしいなあと思っています。まあここまで見たなら、もう漫画を読めと言われるかもしれないのですが……。

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6.Vivy -Fluorite Eye’s Song-

ヴィヴィ(ディーバ)

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©Vivy Score / アニプレックスWIT STUDIO

本作品はAIには1つの使命を持たせてそれに従事させるという近未来において、歌姫AIを搭載したDiva(ディーバ)が、未来から来たマツモトという謎のAIの指示のもと、100年後の未来に発生するAIによる人類の殺戮を止めるため、数年~10数年ごとに活動するというお話。

まるで映画のようなハイクオリティの作画が特徴的で、それだけでも見る価値がありましたが、映画ではできない次回が気になる引きを持ってくるなど、テレビアニメとして見せようとしているのが個人的に良かったと思います。

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©Vivy Score / アニプレックスWIT STUDIO

 

個人的一番のシーンは6話『Sing My Pleasure -あなたを愛する-』

ここまで歌姫AIであるDivaは、未来を変えることは自らの使命とは異なるために消極的だったところ、この回で「私はDivaではありません。AIを滅ぼすAI、Vivyです。」と宣言するシーン。使命を書き換えられてしまったAIを見たVivyの覚悟が感じられました。

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©Vivy Score / アニプレックスWIT STUDIO

それにしても、この作品中に出てくるAIはVivy含めて、悲しみや喜びを感じているように見えて、どう見てもAIには見えないなあと感じていました。実は人間の脳が元になってるとかそういう設定が出てくるかも、とか思ってましたが、全然そんなことはなかったですね……。

Vivyとマツモトの軽口のやり取りも、AI同士とは思えないほど聞いていて面白いものでこの辺りも好評価。マツモトがやたら早口なのも、演算能力の差を早口で表現しているのかなあとか思ったり。

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7.聖女の魔力は万能です

エリザベス・アシュレイ

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©2021 橘由華・珠梨やすゆき/KADOKAWA/「聖女の魔力は万能です」製作委員会

OLの小鳥遊聖(タカナシ・セイ)が異世界に聖女として召喚されるも、偶然同時に召喚された女子高生(御園愛良(ミソノ・アイラ))が聖女と思われて、召喚を行った王子に完全に放置されてしまった結果、趣味だったガーデニングっぽいと思った薬草研究やそれをもとにしたポーションの開発を行っていく、というストーリー。

異世界転生/転移作品では増えてきた主人公が女性のパターンで、乙女ゲーっぽい逆ハーレムな雰囲気と、イケメンと少しずつ距離を詰めていく少女漫画の雰囲気をそこはかとなく感じられる作品です。

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©2021 橘由華・珠梨やすゆき/KADOKAWA/「聖女の魔力は万能です」製作委員会
主人公のタカナシ・セイ

いわゆるスローライフ系に属するのでしょうかね……? 同時期(春)の『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』とか夏の『チート薬師のスローライフ異世界に作ろうドラッグストア~』など、異世界転生スローライフ系作品もアニメが増えてきましたね。

それにしても、ヒールと言えば冬の『回復術師のやり直し』でめちゃくちゃ万能だったのですが、あっちとは雰囲気が違いすぎますね。(回復術師は紳士枠っぽいR-15な内容)

 

乙女ゲー原作等の作品は男性向け作品に比べて女性キャラが少ないために、ヒロインのキャラデザに力が入る、という話もありますね。主人公のセイも本当に元OLか?というくらいかわいい反応が多く、今回紹介するヒロインの友人ポジに当たるエリザべス(リズ)さんも美しい。見た目はお嬢様~って感じで実際に王子の婚約者という名家のご令嬢ですが、意地悪な性格でもなくあちこちに気を使ったりととても良い人でした。

 

序盤はヤマも落ちもないなあって感じでだらだらとみていたのですが、安定した作画とのんびりとした雰囲気、激しすぎない程度の恋愛要素が結構好きで徐々に楽しめるようになりました。

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©2021 橘由華・珠梨やすゆき/KADOKAWA/「聖女の魔力は万能です」製作委員会

他にも、当初セイをスルーしてしまい、いつまでも聖女と認めないカイル王子も、アイラ目線で語られる7話では、色々考えて道化を演じてたりすると明かされるなど、完全な考えなしというものはおらず、みんながみんな考えをもって行動している、というのが個人的には好きです。(どうもこの辺はアニオリで、バカはバカのままにしておいた方がよい、という意見もあったようなのですが……。)

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©2021 橘由華・珠梨やすゆき/KADOKAWA/「聖女の魔力は万能です」製作委員会
左がアイラ、右がカイル王子

まあ、結局はカイル王子のせいでアイラは同性の友達もできず、周りから孤立してしまっていたので、無能な働き者になっているのは可哀そうかもしれませんが……世間知らずの王子様が下手に考えると逆効果っていうのもいいんじゃないですかね。

 

そういえばOPが結城アイラさんで、登場人物のアイラに対して「アイラならOP歌ってるよ」とかコメントとかで言われてたのが面白かったです。

結城アイラさんって『伝説の勇者の伝説』(2010年夏秋放送)のOP歌ってたときに最初に知ったのですが(ラジオとかも出てたかも)、もう10年以上も前になるんですねえ……。今年だと秋の『世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する』なんかでもEDを歌っていましたね。

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8.戦闘員、派遣します!

アスタロト

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©2021 暁なつめ, カカオ・ランタン/KADOKAWA/「戦闘員、派遣します!」製作委員会

ラノベ原作の『戦闘員、派遣します!』からはアスタロト様。『この素晴らしい世界に祝福を!』の暁なつめ先生によるドタバタバトルコメディ。

悪の秘密結社「キサラギ」の戦闘員六号が、地球によく似た別惑星に飛ばされて侵略のための諜報活動として、惑星内の国等を探索する話。

 

お供につけられた高性能アンドロイドのアリスや、現地で仲間にした腹黒騎士スノウ、なんでも食べたがるキメラ女子ロゼ、何度でも生き返る呪い師行き遅れ女グリムなどと共に、惑星内の魔王軍やらと戦闘していくシナリオ。

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©2021 暁なつめ, カカオ・ランタン/KADOKAWA/「戦闘員、派遣します!」製作委員会
左がグリム、奥がスノウ、ひっついているのがロゼ

テンポよく進むシナリオに、軽すぎず重すぎずに挟まれるギャグ、特徴的なキャラクターなど、このすばみを感じる内容で、あっという間に見終わってしまいました。(この作品は、毎週視聴ではなく、クール終わりに一気見してしまった系の作品です。できれば毎週見たいんですけどね……。)

主人公の戦闘員六号は順当にゲスではありますが、なんだかんだでやるときはやる男であり、ヒロインたちも同じくらいゲスイので、見ていて悪い印象にはならなかったです。この辺もこのすばと同じですね。

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©2021 暁なつめ, カカオ・ランタン/KADOKAWA/「戦闘員、派遣します!」製作委員会

アスタロトキサラギの幹部であり、実は最古参メンバーの戦闘員六号とは結社立ち上げ時の仲間。最高幹部と平団員と大きく立場は変わっても、なんとなく六号を意識している感じがかわいくて好き。

とりあえず胸を盛ってハイレグっぽい服を着せておけば視聴者は喜ぶと思われていて、まさにその通りだよという気持ちになりました。(魔王軍のハイネなどもそんな感じのデザイン)

 

あと、OPの「No.6」が好きです。伊藤未来さんだと、2017春の『武装少女マキャヴェリズム』のOPも好き。

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9.フルーツバスケット The Final

本田透

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©高屋奈月白泉社フルーツバスケット製作委員会

フルーツバスケットは2001年にも一度アニメ化されている、少女漫画?を原作とする作品で、2019年から再アニメ化がなされており、1期2クール(2019春夏)、2期2クール(2020春夏)、そして今回のThe Final(2021春1クール)と、合計で5クールかけて描かれました。原作も旧アニメも見ていない僕ですが、名前は以前から知っていた有名作品ですね。

両親を亡くし、住む家もなくなった女子高生、本田透が、学園のプリンス草摩由希と出会い、草摩家の十二支の呪いを持つ人々と過ごしていく物語。

 

個人的に思った感想は……この世界、毒親多すぎない?というもの。(ファンの方には大変申し訳ない気持ちになるが……)

透の母親はとても良い人でしたが、草摩家のメンバーに限らず登場人物は大体が親、あるいは親のせいでゆがんだ人を原因として不幸になったり思い悩んだりしていて、それを聖人たる本田透さんが、浄化していくというような内容と捉えて見てしまいました。

最終章であるThe Finalではここまでのクールで大体の元凶扱いされていた草摩慊人(アキト)さんも、実は親のせいで色々不安定になったりしていたとかが描かれており(いや、それでも普通に刑法に引っかかりそうなことしてる気がしますけどね……)、その慊人すら浄化する本田透さんの聖人力に涙を流すことになりました。

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©高屋奈月白泉社フルーツバスケット製作委員会
左が慊人

まあそれでも、2期ラストの慊人の真実が明かされる辺りは、予想外の事実だったのでおお~ってなりました。(今更ネタバレに配慮しなくてもいいような気もするのですが、自分がこれまでネタバレを踏まなかったことでおお~ってなったので、やはりネタバレはしないに越したことはないと思うのでした。)

 

1期2期で浄化されていった由希なんかは、もうかなり成長していてむしろ浄化する側に回っていたり。高校生って成長するなあ……と思ってしまいました。何気に生徒会メンバーが結構好きだったりします。チョークを折るだけでかっこいい男は草摩由希しか知りませんね……。

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©高屋奈月白泉社フルーツバスケット製作委員会
生徒会メンバー(真知さんだけいませんが……)

 

anime.dmkt-sp.jp

※1期、2期ともにdアニメストアにあります。なんなら2001年版もある。(そっちは見てないけど)

 

10.女神寮の寮母くん。

八月朔日せれね

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©2021Ikumi Hino/女神寮

夏アニメの紳士枠、女神寮からは謎の(たぶん)宇宙人の八月朔日(ほずみ)せれねさん。

親に逃げられ、家は燃え、行く当てのなくなった中学1年生の孝子君がとある女子大の寮である「女神寮」の寮母として住み込みで働くことになる、という物語。

 

初心なショタ主人公がワケあり女子寮住人の度重なるラキスケ等に振り回される、みたいな内容で、こういうキモオタ向け作品を未だにアニメ化してくれているという事実に、俺もまだ生きていていいんだ、という肯定をもらったような気がして、涙を流しながら見ていました。

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©2021Ikumi Hino/女神寮

せれねは寮生の中でも何回生なのかも不明な謎多き人物で、月の力を用いて壊れた寮を一晩で直したりと明らかにただの人間ではないような描写がありました。こういうクール系な白髪キャラクターは普通に好きです。

 

CVの夜道雪さんは2021年だと『スーパーカブ』の小熊を演じていましたが、声優だけではなくYoutuberとかモデルとかもしているマルチタレントさんらしいです。演技は全然違和感なかったので、調べるまで知りませんでしたが……。(よく見ると女神寮のHPでは各キャラの2.5次元とかいうのがあるらしいですね。せれねだけ声優と2.5次元が同じ人になっている……。)*1

 

こういうハーレムラブコメの雰囲気はなんだか懐かしいような感じがして、いわゆる日常アニメとは全く異なるけれども、00年代後期あたりのerg(やったことないけど!)にあったような生ぬるい日常感みたいなものを得られます。

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©2021Ikumi Hino/女神寮

最終回で作品ともお別れかって思ったら涙があふれてしまった。こういう作品は、アニメが終わると本当に作品との関係が切れてしまうので、せめて僕の記憶の中には残しておきたい……。

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※なんかもう一つバージョンがあるんですけど、そっちはどうやらR-15のようなので載せません。

 

11.小林さんちのメイドラゴンS

イルル

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©クール教信者双葉社/ドラゴン生活向上委員会
上がイルル、下はカンナちゃん

クール教信者原作作品が3つも同時に放送されていた夏アニメ。

メイドラゴンは2017年の冬が1期でしたので、もう4~5年前になりましたね……。人が飛ぶわけないだろ→飛んだああああのOPの流れがあまりにも懐かしい。

 

異世界から来たドラゴンのトールに気に入られ、メイドとして家に置くことになった小林さんとのハートフル(?)アニメ。1期でもカンナカムイ(カンナ)、ケツァルコアトル(ルコア)、エルマ、ファフニールなどのドラゴンが人間界に来ていましたが、イルルは2期から登場したキャラクター。

元は混沌勢(人間と敵対し、争いを好むドラゴンの勢力)に属しており、トールを(ついでに街も)滅ぼそうとしていたのですが、小林さんに誑し(たらし)込まれて結局ちょろゴンズの仲間入りとなったのでした。

 

1期のころからそうですが、作画がバカみたいに動きます。どんな細かい動きでもしっかりと描いてくるところはさすがに京アニだなあって感じです。これ作画リソース割くの無駄だろ(褒め言葉)って思ったのは、イルルが人間の手を再現しようとして、○の手の先に大量の細かい手がついているシーンですね……。

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©クール教信者双葉社/ドラゴン生活向上委員会

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©クール教信者双葉社/ドラゴン生活向上委員会

 

逆に作画に信頼があるからこそ、簡単作画描写(4話のパトロール中にトールが絡んできた不良を一掃するシーンとか)はあえて簡単作画にしている演出なんだな、ってわかるのが京アニの信頼あってのものなのでしょう。

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©クール教信者双葉社/ドラゴン生活向上委員会

他のドラゴンと同じように、最初は人間のことも自分が破壊以外にやりたいこともわかっていなかったイルルが、徐々に人間らしさを得ていく(ドラゴンだけど)のが、とても良かったです。駄菓子屋のタケとの間にラブコメの波動を感じないでもない。

いわゆる爆乳キャラにはなりますが、まあ爆乳キャラなら既にルコアさんがいるし、これは火炎袋なので……。

 

OPは1期から引き続きfhánaが担当。これはダイマですが、SB69(という音ゲー)アプリではfhánaがタイアップバンドとなっているので、1期2期のOPもプレイできます。

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※1期もdアニメストアにあります。

 

12.ぼくたちのリメイク

河瀬川英子

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©木緒なち・KADOKAWA/ぼくたちのリメイク製作委員会

ラノベ原作。2016年、28歳の主人公(橋場恭也)が職を失い絶望していたところで10年前にタイムスリップしたところから始まる。普通のタイムスリップではなく、10年前の自分の体に10年後の自分の意識が上書きされるって感じのタイムスリップ。

やらずに後悔していたクリエイターの道を志して芸大に入学し、元の時代でプラチナ世代と呼ばれていたメンバーと共に、夢に向かって進んでいく、というストーリー。

 

主な舞台が2006年ということもあり、空気感が本当に懐かしくて好き。この作品自体もそれくらいの時期の展開やキャラクターらしさをそこはかとなく感じられて、なんでもないシーンで時折目頭が熱くなってしまう。

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©木緒なち・KADOKAWA/ぼくたちのリメイク製作委員会
作中のキャラが作成した同人ゲーム

ニコニコ動画ができ始めたり、ボカロが始まったり、ラノベやアニメが一般にも進出しだすくらいの時期。この時代の、まだまだ未熟で今後この文化がどう成長していくのかがわからないワクワク感が好きでした。雰囲気だけで1話の桜並木を歩いていくシーンからボロ泣きしてしまう。

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©木緒なち・KADOKAWA/ぼくたちのリメイク製作委員会

 

河瀬川は恭也と同期入学でライバルでありながらも一緒に創作する仲間でもある、という感じのキャラクター。元の時間軸でも、職を失った恭也と偶然に知り合って派遣社員として雇用してくれたりしたので、登場自体はヒロインの中でも一番早かったはず(でもこの辺は原作ではちょっと違う部分らしいので、アニオリ構成らしい)。CVは東山奈央さん。

メインヒロインとしては恭也がルームシェアすることになる、志野亜貴や小暮奈々子で、河瀬川は3番手なのかもしれないのですが……。

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©木緒なち・KADOKAWA/ぼくたちのリメイク製作委員会
左から、河瀬川英子、小暮奈々子、志野亜貴

この2人が恭也に頼るキャラクターなのに対して、河瀬川は恭也と対等で互いに頼ったり頼られたりする間柄なのが好みでした。11話で恭也を叱咤するシーンはEDが流れ出す演出も相まってメインヒロインお前だったのか、って思ってしまうほど。

これは誰にも同意してもらえなかったのですが、実質サープリ(サークレット・プリンセス)なんですよね(??)

与太話だけど聞いてほしいのですが、本作は原作者が木緒なちさんでサープリも脚本が木緒なちさん(なんなら書籍も書いてるのは同じ人)だし、提供はDMMGAMESだし、この作品の節々に感じられる00年代への強い憧れが、まさに00年代風のアニメだったサープリと重なって僕にそう思わせているんですよ(??)

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13.探偵はもう、死んでいる。

シャーロット・有坂・アンダーソン

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©2021 二語十・うみぼうず/KADOKAWA/たんもし製作委員会

こちらもラノベ原作で、略称は「たんもし」

巻き込まれ体質の主人公、君塚はとある事情から乗り合わせた飛行機で、自称探偵のシエスタに助手に任じられる。その後も、シエスタの助手として世界を回りながら謎を解く手助けをしていたが、SPESと呼ばれる組織との抗争でシエスタは命を失ってしまう。

シエスタの死から1年後、君塚はシエスタの心臓を持った女子高生、夏凪渚に出会い、再度助手となる――という感じのお話。

 

探偵といいつつ謎解き自体は正直それほど難解ではなく、どちらかというとSPESによる人体実験で人間ではない能力を手に入れた人造人間と戦うのがメインのお話。

ただ、作画が良くてシエスタが美しいので、期待していたのとは違ったけど引き込まれたというのが1話視聴後の感想でした。

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©2021 二語十・うみぼうず/KADOKAWA/たんもし製作委員会
メインヒロインのシエスタ

この作品では、君塚とシエスタなど、登場人物同士の良い意味で無駄の多い会話がとても好きでした。大筋のシナリオの構成力や伏線の回収なども大事ですが、ラノベやノベルゲー原作ではやっぱりキャラ同士の掛け合い、聞いてて自然と笑みが零れてしまう小気味の良い会話というのが重要だな、と感じました。そういう意味では本作はとても良かったと思います。

 

SPESの設定やら、時系列が現代とシエスタのいた時代とを行ったり来たりしたりやらでちょっとややこしかったかもしれません。

ただ、渚が初対面で自分の胸に君塚を抱いたことや、君塚が登場人物の眼帯がブラフであると気づいたことなどにも、ちゃんと理由があったというのがわかり、時系列があっちこっちいくことによる伏線回収とかは悪くなかったと思います。

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©2021 二語十・うみぼうず/KADOKAWA/たんもし製作委員会

 

シャーロット・有坂・アンダーソン(シャル)はシエスタに心酔している仲間で、戦闘能力が高い代わりに頭が残念、という感じのキャラクターですが、正直アニメだけではどういうキャラなのかがいまいち描かれず、もうちょっと出番が欲しかったな、という印象です。まあ金髪で巨乳で若干ポンコツ、って時点で僕は好きになりますが……。

 

それにしても今年は心臓移植アニメが3つ(本作、『IDOLY RPIDE』、『SELECTION PROJECT』)もありました。なんか流行ってるんでしょうかね? 昔からないわけではないですけど、ここまで被るとは。

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14.ひぐらしのなく頃に(業、卒)

園崎詩音

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©2020竜騎士07ひぐらしのなく頃に製作委員会

1980年代、山奥にある雛見沢村で起こる凄惨な事件を題材にしたゲーム原作作品。

言わずと知れた有名作品で、『ひぐらしのなく頃に』のリメイクが!となったのが2020年の秋でしたが、ふたを開けるとまさかの新シリーズひぐらしのなく頃に業」だった、という衝撃のスタート。業が秋冬と2クール続き、回答編である卒が1クール空いて夏に放送となりました。

実はこれまでひぐらしシリーズには触れずに生きてきた(なんかグロイということは知ってた。「嘘だッ!」とか富竹フラッシュくらいはネットミームとして知ってましたが、その程度です。)のですが、流石に有名作品だしこれを機に見ておくか~って感じでリメイクに飛びついたら新作だったので、これはもう逆に前作見てない状態で見るのが得難い経験になるだろう、ということで結局前作は見ないまま本作を視聴しました。

 

業では前原圭一目線で、何が何やらわからないまま惨劇が起こってしまい、最後は死ぬか絶望か、みたいな終わり方。ループものであることも知らなかったので、なんで殺す側殺される側がいろいろあるんだろうって長年思っていたのが解けました。

鬼騙し編→綿騙し編→祟騙し編と続き、その次の猫騙し編ではループの力がなんとなく説明してもらえました。この辺、前作も知っていれば今更説明されるほどのことでもないのかも? 自分、雛見沢症候群っていうのもあまり知らないで見ていたもので……。

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©2020竜騎士07ひぐらしのなく頃に製作委員会

卒では、業の時と同じ内容が裏側から描かれており、業のときと同じ事件でも視点を変えたらこんなに変わるものなんだなあというのが面白かったです。児童相談所の話とか、やっぱり両方に事情を聴いて進める裁判みたいな方針でないと、正しい判断はできないなって司法制度の重さを理解しました(?)業の時に沙都子を心配したワイの気持ちを返してほしいよ。

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©2020竜騎士07ひぐらしのなく頃に製作委員会

基本的に毎週見るようなアニメは1話ごと毎回ちまちまと感想を残しているのですが、業を見ているときの過去の自分が思いっきり製作陣の引っかけに引っかかってたのがめっちゃ楽しかったです。

 

前作見てるのが前提みたいに言う人も見かけたのですが、見てなくても普通に面白かったのであまり気にせずに見てもいいのでは、と思いました。(ただ、まあ100%楽しむには前作見たほうがいいし、変に中途半端に知るのはもったいない、って意見もあるかもしれないので、そこはなんともいえない)

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※卒も全話あります。なんなら前作もありますね。ならさっさと見ろとか怒られるかもしれない。

 

15.がんばれ同期ちゃん

同期ちゃん

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(C)よむ/同期ちゃん

ショートアニメからは『がんばれ同期ちゃん』の主人公、同期ちゃん。テレビ放送とかはなく、ABEMAのみ9月20日から毎週1話ずつ配信でした。

同僚の同期君に惚れているが中々思い切れない、という感じのお話で、同期ちゃん以外にも後輩ちゃんや先輩さんなどの恋のライバル?が出てくるお話。

 

ハーレムラブコメのメインヒロイン視点という感じなのでしょうか。押すべきところでヘタレてしまうのは女性主人公でないと許されなさそうです。

同期ちゃんの声優を担当された稗田寧々さんは初の主役で主題歌(ED)も担当されています。自分もこの作品で初めて認識しましたが、今後も応援したいですね。

原作のよむ先生は2019年の『みるタイツ』に続き2作品目のアニメ化ですが、あれも素晴らしいショートアニメでした……。

 

2021年はショートアニメも多かったようないつも通りなような。秋はかなり多かったような気がしますね。

年間通すとやっぱり僧侶枠が強いですね。冬の『じみへんっ!!~地味子を変えちゃう純異性交遊~』、秋の『しょうたいむ!~歌のお姉さんだってしたい~』、『魔王イブロギアに身を捧げよ』辺りを見ました。それでも例年よりは見てる数が少ない……。

相変わらず倫理観がヤバく、じみへんでは残業中に行為に及んだシーンで、セックスに残業代を支払う会社の身にもなれ、という気持ちになりました。

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©いぶろー。/Suiseisha Inc.

ただ、終盤辺りから主人公が良識人になり出したり、しょうたいむは比較的普通の恋愛だったので、若干倫理観がマシになってきている気がします。でも倫理観バグってる方が見てて面白いかも。

それにしても、僧侶枠ってもう5~6年くらいの歴史になるんでしょうか。毎クール廃れることなくコンスタントに出してくるのは本当にすごいですね。

 

僧侶意外だと『大人の防具屋さんⅡ ラグジュアリー版』、『戦乙女の食卓Ⅱ』、『月曜日のたわわ2』など5分程度のショートアニメで2期というのも結構あった気がします。

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(C)比村奇石/PBM2
『月曜日のたわわ2』の後輩ちゃん

ショートアニメという選択肢が増えて、アニメ化のハードルが下がっているのは良いことなのかもしれないなと思っています。

 

がんばれ同期ちゃん (アニメ) | 無料動画・見逃し配信を見るなら | ABEMA

※Abema限定配信。2話以降はプレミアムのみ。

 

16.見える子ちゃん

四谷みこ

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©泉朝樹・KADOKAWA刊/見える子ちゃん製作委員会

個人的に秋アニメで一番楽しんでいたのがこの作品でした。

突如として霊が見えるようになった主人公、四谷みこ(CV雨宮天)がひたすら霊を見えてない振りをして乗り切る、というホラー(?)作品。

一発ネタで展開がワンパターンになるかと思いきや、スルーの方法にもバリエーションがあったり、ちゃんと毎回話が作られていて、思ってた以上に脚本がしっかりしているな、と思いました。

3話は爆笑したけど、4話はラストでびっくりしたし、5話ではなんかしんみり感動するし、6話からはなんかバトルものみたいになるしですごい。原作にも興味が出ました。

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©泉朝樹・KADOKAWA刊/見える子ちゃん製作委員会

幽霊とか妖怪が出る系の作品はそこそこ見ているのですが、個性ある幽霊が結構目立つことが多い中で、この作品では幽霊は基本的に意思疎通できないのでメインキャラになることはなく、あくまでもみことその友人たちがメインであるというところが新鮮でした。

 

原作ファンには若干不評だったようなのですが、主人公のみこや友人のハナなど、女性キャラクターをフェチっぽく描く角度やシーンが多く、そういう意味でも注目されたと思います。エロとホラーは相性がいいとかなんとか()

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©泉朝樹・KADOKAWA刊/見える子ちゃん製作委員会

エロで釣ってきて中身が面白い、っていうのはアニメ化の戦略として大いにありだと思うんですよね。まあ原作ファンの気持ちもわからないではないですが……。個人的には1作品で2度おいしいみたいな感じで好評価です。

 

「おしり大福」、「ヤケクソメロンパン」、「ベニテングマフィン」など、類まれなるネーミングセンスも良かったです。キャラ同士の掛け合いも面白くて◎

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©泉朝樹・KADOKAWA刊/見える子ちゃん製作委員会

 

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17.プラオレ! ~PRIDE OF ORANGE~

柳田薫子

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©2020 プラオレ!メディアミックスパートナーズ

女子アイスホッケーというマイナー目な女子スポーツアニメ。(マイナーって作品内でも言ってるので、許して)

1話開幕からめっちゃクオリティ高いアイスホッケー作画でおお!ってなってからの、謎ダンスが始まって???ってなりました。物語自体は日光を舞台に、アイスホッケーを始めた女子中学生たちが、高校に上がってもアイスホッケーを続けて友情を深めながら大会を勝ち抜く、という感じです。

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©2020 プラオレ!メディアミックスパートナーズ

薫子は主人公の愛佳たちと同じ中学に通う、実家が農家の女の子。

「どっしりとした感じ」と評されるけど、別に太ってるようには見えないですね。その安定感からゴーリー(キーパーみたいな役割)を担当します。

7話の水着回では、声が小さくてゴーリーとしてチームの皆を盛り立てる役割を果たせない、と悩むのですが、うまい感じに克服してました。

僕もよく声が小さいと言われるので、ちょっと気持ちがわかります。声が小さい人が頑張って声を大きく出そうとしてるときって感じの演技がうまかった。

 

最終回では、一応物語の決着はつくのですが、続きはゲームで!という感じでソシャゲに誘導されました。DMMで出るらしいです。ダンスはやっぱりその辺のためなのかもしれませんね。リアルのライブをするためにはそういう売り方が大事なんでしょうかね……。

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©2020 プラオレ!メディアミックスパートナーズ

ダンスは謎と書きましたが、一応はアイスホッケー会場をお客さんでいっぱいにするための話題作り、っていう理由付けはあったので完全に謎というわけでは無いです。ビクトリーダンスなのに負けても踊ってたのは笑ったけど。

 

あと、OPの歌詞について、アイドルっぽい曲調のために夢とか希望とか歌ってるのかなと最初聞き流していたのですが、よく聞くとかなり厳しくて耳が痛かったです。

誰かが何とかすると どこかで願っていた

昔は良かったなんて 思い出話はもう飽きたよ

足りないものを数えて 言い訳作るクセは 体質や習慣になって ヒョウジョウを失くしていく

ずっと このままあると思うな 時間は残酷なもの

前へ 先へ あとで 笑え 進まザルを得ないよと 追い込まれていく

一部引用*2

調べて気づきましたが、表情と氷上をかけたり、日光の三猿にかけてザルになってたりするんですね。

 

女子スポーツアニメは毎クール1作くらいはやってほしいのですが、今年はあまり見なかったかもしれません。ほかに見たのは春の『バトルアスリーテス大運動会ReSTART!』くらいでしたかね。あれは結構期待してたんですけど……まあOPとEDが良かったので。あとは……ウマ娘はスポーツものといっていいのかな?

 

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18.古見さんはコミュ症です。

尾根峰ねね

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©オダトモヒト小学館/私立伊旦高校

学校一の美少女だけど実はまともに声も出せないコミュ症の古見さんと、すべてが平均の主人公、只野君のラブコメ?作品。原作はサンデー。

 

OPやED、1話の雰囲気などからすごいジョブナイルな青春みを感じて、そういう系なんだって思っていたのですが、結構コメディ寄りでした。原作から知っている友人は、むしろ思った以上におしゃれになっていてびっくりした、とのことだったので原作はもっとギャグ寄りなのかもしれません。

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©オダトモヒト小学館/私立伊旦高校

古見さんのコミュ症っぷりも異常ですが、誰とも幼馴染みたいな距離感の長名なじみ、あがり症すぎる上理卑美子、ヤンデレというかストーカーというか……の山井恋など、他の登場人物も個性が極端なキャラクターだらけで、異常な個性から生み出されるギャグが面白かったです。漫画っぽく効果音とかが文字として出てくる演出も結構好き。中盤からは適度にラブコメ要素もあり、結構ニヤニヤできるのもポイントが高い。

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©オダトモヒト小学館/私立伊旦高校

個性溢れすぎなキャラの中、尾根峰さんは頼れるお姉さんという感じの同級生。CVは青木瑠璃子さん。

只野君がひょっとしていじめられてるのではと思って、率先して話しかけたり雑用を手伝ってくれたりと普通にいい人なうえ、古見さん本人すら気づいていない恋心をいち早く察して行動できるなど、本当にいい人だった。単純にいい人に泣きそうになる。というか泣いた。登場が遅いのが残念かもしれない(10話)。

 

CVといえば、古見さんはほとんどしゃべらない(しゃべれない)キャラなので、演じるのは大変だったように思います。古賀葵さんすごいですね。名前は聞いたことあるけど、あんまりキャラがパッと思い浮かばないなって感じていたのですが、今回でしっかり覚えたかも。

まあ言われてみれば、『かぐや様は告らせたい』のかぐや様とか、『プリンセス・プリンシパル』のアンジェ(交代後)とか、今年だとぼくリメのシノアキとかメイン級もされていたんですが……。

あとは、何度聞いてもなじみの声が村川梨衣さんには聞こえない……こんな声も出せるんですね……。

 

※本作品はNetflix独占配信です(2022年1月現在)。

 

19.真の仲間じゃないと勇者のパーティを追放されたので、辺境でスローライフすることにしました

リーズリット・オブ・ロガーヴィア

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©ざっぽん・やすも/KADOKAWA/真の仲間製作委員会

タイトルが……タイトルが……長い! 普通に面白かったと思うので、タイトルで損してるような気がしました。ちなみに異世界転生作品ではないです。

追放系&スローライフ系と見せかけて、別にスローライフではないような気もするファンタジー世界観の物語。略称は「真の仲間」。

あらゆる生物がそれぞれ1つ「加護」を生まれ持つ世界において、勇者の加護を持つ妹を補佐していたギベオンは、賢者の加護を持つ仲間から足手まといだと追放(?)されて、レッドと改名し、辺境の地ゾルタンでリーズリット(リット)と共に薬屋を始める……という物語。

 

序盤~中盤はレッドとリットがゾルタンでのんびりイチャイチャ(?)しているような感じでしたが、6話以降は横行する麻薬売買などの裏の事件を解決することになったり、勇者パーティのいざこざに巻き込まれて妹のルーティを助けようと魔物と戦ったりと、スローライフとは……?」という感じになりました。

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©ざっぽん・やすも/KADOKAWA/真の仲間製作委員会

まあ序盤でもレッドが抜けてギスギスした雰囲気最悪勇者パーティとかも裏では描かれていて、追放系のお約束っぽいのもありました。何気に追放系のアニメ化作品って初めてかもしれない……? 少なくとも僕が見たのは初めてでした。

勇者始め他メンバーからはちゃんと評価されてたので、勝手に追放した賢者(愚者)のアレス君が悪いよ~。

 

加護についてはまたスキル系なのか~って最初は思ったのですが、生まれ持った加護に徐々に意識や人格も引っ張られて行く中(例えば、勇者の加護だと食事も睡眠も不要になり暑さ寒さも快不快も感じなくなっていくらしい)で、どうやって加護と自分の意思で折り合いをつけていくのか、みたいなところも描かれており、そういうところは普通に好きでした。

 

リーズリット(リット)は、ロガーヴィアという国の王女様でありながら凄腕の冒険者でもあり、かつて国の窮地を勇者パーティに救ってもらったことから、レッドを探してゾルタンまでやってきた、という背景があります。

金髪!巨乳!素直!王女様!と、まあ順当にメインヒロインっぽいキャラクターです。こういうのも好きですね。武器がショーテルなのもツボ。

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©ざっぽん・やすも/KADOKAWA/真の仲間製作委員会

中盤~終盤あたりは自然とイチャイチャしていたので、いったいどのタイミングで一線を越えたんだろ~って思っていたのですが、ひょっとすると最終回までは何もなかったのかもしれません。でも中盤で一緒に風呂に入ってるのに、そこまでしたことないってあるんですか! でもあんなに恥ずかしがるということは初めてなのかもしれない。

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20.最果てのパラディン

グレイスフィール

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©柳野かなた・オーバーラップ/最果てのパラディン製作委員会

アンデッドの街にて、スケルトン剣士のブラッド、ミイラ神官のマリー、ゴースト賢者のガスに育てられた人間のウィリアム(ウィル)が、最果ての地で自身の神の信仰を広めていく物語。

こっちは一応異世界転生ものなのですが、現代知識が役に立ったり転生時に神にチート能力をもらったりはしていないので、あんまり転生ものっぽい雰囲気はないですね。一応、転生前の自分を反省して今度はちゃんと生きよう、という感じにはなりますが……。

どちらかというととても丁寧に主人公の成長を描いていたように思います。

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©柳野かなた・オーバーラップ/最果てのパラディン製作委員会

ギリシャ神話のように複数の神々がおり、15歳の成人になるとどれか1柱に誓いを立てて加護をもらう、それぞれの神はそれぞれの神の思惑で動いており時に人を導き時に人を惑わす、神々を善悪で区切るのは所詮は人間の尺度である、などといった設定が序盤で語られており、この辺の世界観が非常に好みでした。

 

加護を受けると、祝祷術と呼ばれる魔法のようなもの(魔法は祝祷術とは別にあるのですが)が扱えるようになり、例えば祈りを捧げると糧としてのパンを得られたりと、信仰と生活がかなり密接に結びついているなど、こういう宗教臭い感じが好きなのかなあ……とか思いました。まあ確かに古代ギリシャとか中世ヨーロッパとかの歴史とか好きだったかもしれない。

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©柳野かなた・オーバーラップ/最果てのパラディン製作委員会
手間のマントが主人公のウィル

グレイスフィールは生成流転をつかさどる灯火の神で、雷神ヴォールトと地母神マーテルの子供。主人公のウィルが誓いを捧げて加護をもらう守護神でもあります。神様なので出番自体は多くないのですが、重要なときにウィルを手助けしてくれる存在でした。

 

今回グレイスフィールを選んだ理由はまあとても美しいというのもありますが……この作品、ヒロインらしいヒロインがいないんですよね。なので、まあ主人公の心の中に常にいる神様が実質ヒロインということで、多分グレイスフィール様がメインヒロインなのではないかなと思っています。OPでもめっちゃ目立ってるし。

あと、途中までこの娘がヒロインなのかな?って思ってたエルフ(ハーフエルフでした)は見た目は美少女っぽいですが男性でした。男を装ってるけど実は……とかでもない。こんなに美少女キャラクターのいない異世界転生作品は珍しいですね……。

 

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終わりに

というわけで2021年の振り返り20作品でした。

2021年は合計で90作品見たらしいです*3。1クール20ちょいで年間80作くらいかな、と思っていたので、ちょっと多かったのかもしれません。

 

それにしても、最近は本当に異世界転生/転移作品が多いなという感じです。今回の20作にも3作品ありますが、実際に見たのはこの数倍ありますし……。まあ異世界転生/転移系作品はとりあえず見とくか……みたいな感じで見てるせいかもしれません。石鹸枠帰ってきてくれ。

他だとアイドルものが減ったかも?という感じです。今回紹介している作品だと1作もないですね。ウマ娘とかプラオレを入れると怒られそうだし……。見たのは『IDOLY PRIDE』、『ラブライブ! スーパースター!!』、『SELECTION PROJECT』くらいかな……。

 

あとは、アニメのインターネット配信がとても強くなってきたなという印象です。(その感想は数年遅くないか?)

今回の20作品もほとんどがdアニメストアで見れますし、結構な数がAmazon Prime Videoでも見れますが、配信時期自体もテレビ放送とほぼ同時とか最速くらいになってきているなあという印象です。別にdアニメストアの回し者じゃないけど、アニメ好きなら利用しない理由ないですよ!まあ細かい不満がないわけではないんですけどね!

2022年も始まってもう結構経ってしまったのですが、冬アニメがそろそろ本格的に始まるかな、という感じですかね。今年もたくさんアニメを見れるといいなあ……。

 

*1:CHARACTER -TVアニメ「女神寮の寮母くん。」公式サイト- (megamiryou.com)

*2:曲名:『ファイオー・ファイト』 作詞:只野菜摘

*3:現在も継続しているものも含む、複数クール作品は1作品でカウント